冬至の日 カボチャや柚子にまつわるお話|べっぴん塾

 

第五十四回

冬至の日
カボチャや柚子にまつわるお話

 

12月22日は「冬至の日」です。一年で最も夜が長く、昼が短い日で、「夏至の日」と比べると、5時間近くも昼間の長さに違いがあります。冬至の日は、この日を境にして再び日が延びていくことから「一陽来復」とも呼ばれ、「良くない状態が続いた後、ようやく幸運が巡ってくる」や「冬が終わり、春が来る」という意味があります。

冬至の日には、カボチャや冬至粥(小豆粥)、コンニャクなどを食べる習わしがあります。日本では名前に「ン」のつく食べ物を食べると「運を招く」と考えられており、特に、カボチャ(別名「ナンキン」)は、「ん」が二つもつく上、「なん(難)が来ん(来ない)」という意味に通じること、また、保存食であり、冬に不足する栄養素を補うことができることから、冬至の日にはカボチャを食べるという風習が定着しています。「ナンキン」「レンコン」「ニンジン」「ギンナン」「キンカン」「カンテン」「ウンドン(うどん)」は冬至の七種と呼ばれています。

また、冬至の日には柚子を浮かべたお風呂(柚子湯)に入る風習もあります。その由来は、一陽来復の日に体を清める為や、冬至が「湯治」、柚が「融通」に通じ、体を温め、香りで邪気を祓って「無病息災」、「融通が利く一年となりますように」との願いを込めて等といわれています。

冬至は二十四節気の一つでもあり、その場合は期間を指します。二十四節気とは、一年を二十四の期間に分けた暦のことで、太陽の動きをもとに算出されます。今年の冬至は12月22日から1月5日まで。お正月は冬至の期間に含まれます。

年末が近づくと様々なグループで「忘年会」が行われます。江戸時代には、すでに一般の人々の間で酒を酌み交わす忘年会が行われていたようですが、現在のような宴会に近い行事になったのは明治時代から。もとは、鎌倉時代から室町時代に行われていた「年忘れ」という行事が忘年会の始まりといわれ、貴族や武士が集まり、連歌(※1)を詠み続けるというものであったようです。

(※1)連歌とは、二人以上の人が、上の句(五七五)と下の句(七七)を互いに詠みつなげていく形式の和歌のこと

(12/18/2025)


筆者・森 日和

禮のこと教室 主宰 礼法講師
京都女子大学短期大学部卒業後、旅行会社他にてCEO秘書を務めながら、小笠原流礼法宗家本部関西支部に入門。小笠原総領家三十二世直門 源慎斎山本菱知氏に師事し、師範を取得する。2009年より秘書経験をいかし、マナー講師として活動を開始する。
2022年より、廃棄処分から着物を救う為、着物をアップサイクルし、サーキュラーエコノミー事業(資源活用)・外国への和文化発信にも取り組む。
https://www.iyanokoto.com

 

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