春から夏へ 今年の春土用は4月17日から|べっぴん塾

第十九回

今年の春土用は4月17日から

日本は季節や気候を表現する言葉が幸う国です。二十四節気もその一つ。1年を二十四の期間に等分し、それぞれにその時季に相応しい名がつけられています。ニュース等でよく耳にする「立春」や「春分」も二十四節気の一つ。「春分の日」は特定の一日を指しますが、二十四節気の「春分」は約15日間の期間を指しています。今は「清明」。「春の麗らかな日差しを受け、万物が明るく清らかである季節」を意味しています。この期間には色とりどりの花が咲き誇り、一年のうちで最も麗しい季節と言われています。そして、4月20日には次の節気「穀雨」を迎えます。「穀雨」とは「雨生百穀」に由来し、「春雨が百穀を生む」という意味があります。地上にある食物に水分と栄養がため込まれる時季とされ、この頃を目安に種まきや田植えが行われてきました。

穀雨の次の節気は「立夏」。いよいよ季節は夏となります。とは言え、春から夏へ、立夏の訪れを以て突然変わるのではなく、春の終わりの18日間をかけて徐々に夏へと移行しています。その移行期間のことを「土用」と言います。土用も季節の移り変わりの数と同じく一年に四度訪れます。

土用は五行説に由来します。五行説とは「万物は木・火・土・金・水の5種類の元素から成り、それらは互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し循環する」という説のこと。季節もその5つの元素から成るとされ、土用は「土」から成り、土の神様が司る期間とされています。この期間は土の神様を怒らせないように、土を動かすことに関すること、例えば、庭の手入れをする、新しく何かを始める、旅に出るといったことは控えるようにします。どうしても!という時は、「土用の間日」に。間日は、土の神様がご家族揃ってお出かけになります。ご不在であれば、神様のお心に障ることはありません。今年の春土用は4月17日から5月4日。間日は4月18日、19日、22日、30日、5月1日、4日です。

(4/18/2025)


筆者・森 日和

禮のこと教室 主宰 礼法講師
京都女子大学短期大学部卒業後、旅行会社他にてCEO秘書を務めながら、小笠原流礼法宗家本部関西支部に入門。小笠原総領家三十二世直門 源慎斎山本菱知氏に師事し、師範を取得する。2009年より秘書経験をいかし、マナー講師として活動を開始する。
2022年より、廃棄処分から着物を救う為、着物をアップサイクルし、サーキュラーエコノミー事業(資源活用)・外国への和文化発信にも取り組む。
https://www.iyanokoto.com

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。