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第六十六回
世界最古の木造建造物
法隆寺を訪れました。
奈良の子どもたちと一緒に毎年「法隆寺」に訪れています。法隆寺は約1400年前に建立され、国宝19棟を含む47棟が世界遺産に登録されています。その内、金堂、五重塔、中門、回廊などの11棟は8世紀以前に建てられた世界最古の木造建造物です。法隆寺のシンボルともいえる「五重塔」は、その美しさがよく語られますが、それもそのはず、屋根の大きさを高くなるにつれ小さくするなど、美しく見せる工夫が数多く施されているのです。そして、その建築美もさることながら、1400年もの間、その姿を保ち続けていることが奇跡的なことで、日本の木造建築技術の素晴らしさを証明しています。古い木造建築は、建築当初の状態から幾度となく解体修理を行うことで、その姿を保たせています。

これは日本独自の方法で、一度すべてを解体し、その中からまだ使える部材を残し、使えなくなった部材を新しいものに交換したり、修繕をして組み直します。土壁も一度落としてから、新しい土と混ぜて作り直すので、膨大な手間と時間がかかります。どのような仕事も決して手を抜かず、百年後、千年後の人々に恥じない仕事をする。ここにも日本人の美学・心意気が感じられます。
世の中には、最新の科学技術やテクノロジーが溢れていますが、日本の建築は今もこの木造建築の伝統を活かし続けています。例えば、高さ634メートルのタワー「東京スカイツリー」は、最新の制振技術「心柱制振」が採用されていますが、こちらは、法隆寺の五重塔と同じ「心柱」の構造によって支えられています。スカイツリーの中心部に入っている長い柱は、タワーとは直接繋がらず独立させ、地震が起きても、真ん中の柱とタワーの揺れが互いに打ち消し合う構造となっています。日本独自の木造建造物である五重塔は、台風や火事による倒壊はあるものの、地震による倒壊の記録は残っていません。日本が誇る伝統を受け継ぎながら、最新技術を組み合わせることで、世界一のタワーが実現したのです。

(3/17/2026)

筆者・森 日和
禮のこと教室 主宰 礼法講師
京都女子大学短期大学部卒業後、旅行会社他にてCEO秘書を務めながら、小笠原流礼法宗家本部関西支部に入門。小笠原総領家三十二世直門 源慎斎山本菱知氏に師事し、師範を取得する。2009年より秘書経験をいかし、マナー講師として活動を開始する。
2022年より、廃棄処分から着物を救う為、着物をアップサイクルし、サーキュラーエコノミー事業(資源活用)・外国への和文化発信にも取り組む。
https://www.iyanokoto.com












