節分は4回ある !?|べっぴん塾

第八回

節分は4回ある !?

まもなく節分。節分は2月3日であることがほとんどですが、今年は2月2日。いずれにしても、多くの方が節分は2月とお思いのことでしょう。しかし、本来節分は一年に4日あります。節分とは、「季節を分ける日」のこと。四季がある日本では季節を分ける日も4日あり、立春、立夏、立秋、立冬の前日はすべて節分です。旧暦では立春を新たな年の始まりと考えていたため、新たな年を清らかに迎える準備として、2月の節分に豆まきなどを行い、邪気を祓います。

京都の節分は、多くの社寺でお祭りや法要が執り行われ、大変盛り上がります。
そのなかでも最も大きいのは吉田神社の節分祭。吉田神社は平安時代の初めに平安京の鬼門(北東)を守護する神社として創建されました。古式に厳密に則って鬼が祓われる「追儺式」や御札を御焚上する「火炉祭」は京都の2月の風物詩と言えましょう。

鬼門と反対の方角、裏鬼門(南西)を守護する壬生寺の節分会では、素焼きのお皿「法楽」を奉納し、厄除けをします。壬生狂言で有名な壬生寺。節分に奉納した法楽は春に上演される「法楽割」の演目のなかで割り、厄祓いをなさってくださいます。節分の日は壬生狂言30番のうち「節分」の演目を無料で見ることができます。

諏訪神社の懸想文は懸想文売りさんからいただきます。お顔を隠し、一見怪しいお姿でいらっしゃるのは、その昔、収入に困った貴族が自らの身分を隠して、「懸想文」、今で言うラブレターを代筆していたことに由来しています。懸想文には縁結びや、箪笥に入れておくと服が増えるという御利益があるとか。

福豆をキャッチするために色々な社寺を巡ったり、吉田神社、八坂神社、壬生寺、北野天満宮の4社へ四方参りをしたり、他にも、節分の日限定のお守りや老舗和菓子店のお菓子があるなど、節分の日には「この日だけの京都」が沢山あります。機会がありますれば、ぜひ京都の節分を体験しにいらしてくださいませ。

(1/30/2025)


筆者・森 日和

禮のこと教室 主宰 礼法講師
京都女子大学短期大学部卒業後、旅行会社他にてCEO秘書を務めながら、小笠原流礼法宗家本部関西支部に入門。小笠原総領家三十二世直門 源慎斎山本菱知氏に師事し、師範を取得する。2009年より秘書経験をいかし、マナー講師として活動を開始する。
2022年より、廃棄処分から着物を救う為、着物をアップサイクルし、サーキュラーエコノミー事業(資源活用)・外国への和文化発信にも取り組む。
https://www.iyanokoto.com

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