VOL.22
倉庫の中に現れる大人の秘密基地
周囲を田畑に囲まれた巨大な農機具用の倉庫。大きなシャッターを開けると、現れたのは27フィートの大型トラベルトレーラーがきれいに収まった中二階付きのガレージだった。宿泊も可能な手作りの小屋を配置した志水さんのガレージは、趣味に没頭できる大人の秘密基地だ。
ガレージのオーナー:
Koushi Shimizu
保有車歴は50台以上。中でもスズキ・ジムニーは10台以上も保有してきたという志水さん。「乗り物ならなんでも」という無類のメカ好きが高じて、趣味を堪能するための秘密基地を、大きな倉庫の中に作り始めてしまった。秘密基地の主役は1967年型のエアストリーム・トレードウインド24ftだ。
住む場所と遊ぶ場所をセパレートした
究極の趣味空間
クルマ&オートバイ好きにとって、風雨から大切な車両を守り、好きな時間に好きなだけ 愛車と過ごせるガレージは、やはり“夢の空間”といえるだろう。
自宅の敷地に独立したガレージを増築したり、新築時にビルトイン・タイプのガレージを設計に盛り込んだり、夢の実現方法は千差万別だが、どんなガレージであっても、そこで過ごすひと時が至福の時間であることに変わりはないはずだ。
保有車両歴50台以上という“乗り物ジャンキー”の志水さんも、やっぱりガレージが夢だった。もっとも、ガレージに収める車両がちょっと特殊。なんと、全長8mを超えるトラベルトレーラー、エアストリーム・トレードウインド24ftだったのだ。このため一般的なガレージには収まらず、最初は廃業したガソリンスタンドを土地ごと購入して、軒下に保管していたそうだ。
ところが、アルミ・ボディのエアストリームだけに雨風により汚れや腐食が発生してしまい、屋内保管を検討。多数保有するオートバイやクルマも一緒に収納できる場所として現在の倉庫を見つけ、2018年からこの場所で単なるガレージに留まらない、“大人の秘密基地造り”をスタートした。
元々農機具の保管庫だった倉庫は一階をエアストリームなど保有車両のガレージ兼レストレーションの作業スペースとして使用。時間をみつけては、この場所でエアストリームのアルミ製外板を磨きあげ、内装のリノベーション作業を続ける。保有歴10台以上というスズキ・ジムニー(シエラ)の改造も並行して行なっており、ロッククローリングを楽しめる様に足まわりやドライブトレーンを改造中だ。ちょうど取材時はルーフトップテントの取り付け作業の真っ只中だった。
ちなみに、この“秘密基地”は田畑にぐるりと囲まれた場所だけに、時間を気にすることなく作業に没頭でき、気がつくと深夜になっていることも珍しくないそうだ。このため鉄骨のやぐらで組まれた中二階には、廃パレットやOSB合板を材料にして自身で組み立てた小屋を設置。内部にはプロジェクターや壁一面に広がるスクリーンを配置したシアタールームに仕立て、大好きな70年代の映画を思う存分堪能できるスペースとしている。小屋の内部にはロフトを追加して就寝スペースも確保。夜遅くなった時にはそのまま宿泊できるように設計されている。まさに24時間、365日、大好きな愛車たちと時間を気にせず過ごすことのできるスペースなのだ。
「ここで過ごす時間を大切にしている」と語る志水さん。大型倉庫の中に設けられたその秘密基地は、住む場所と遊ぶ場所をセパレートした究極の趣味空間だった。
PHOTO & TEXT_Kazutoshi Akimoto 秋元一利
株式会社CLASSIXが発行する“カリフォルニア生活”を提案するマガジン。
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