日本を代表する名車 GT-R が収まる|Calマガジン-GARAGE Examples- VOL.18

VOL.17

昔ながらの職人技で築き上げられた
個性あふれる八角形のガレージ

オーナーである岩橋さんの愛車、昭和45年式日産スカイラインGT-R(KPGC10型)の収まるガレージは、「岩橋建築」のモデルガレージも兼ねている。独特な八角形の形状は、他ではみることのないユニークなものだ。

四角いクルマに対して八角形のガレージを作ると、どうしても無駄なスペースが生まれてしまう。もっとも、そんな無駄なスペースがあることこそが、ガレージライフを楽しむための秘訣なのかもしれない。他に誰も真似できないような、職人技で生み出される家とガレージ。愛知県半田市にある「岩橋建築」は、そんなユニークな作品を生み出す会社だ。

“箱スカ”は2台目という岩橋さん。購入して4年目というGT-Rは、サイドドラフトタイプのソレックス製キャブレターを3連装したS20型エンジンを搭載する。

ガレージのオーナー:
Kazuo Iwahashi

「日頃から住む人のライフスタイルを充実させる家づくりを目指しています。特にクルマやサーフィンなど、男性が趣味を堪能できる家の建築依頼が多いですね。他人とは違う家が欲しいと思ったら、是非一度お問い合わせください」

家の構造体そのものがデザイン上のポイントとなる
男の趣味を存分に楽しめるホビースペース

愛知県半田市で建築業を営む「岩橋建築」。現在、2代目として会社を切り盛りするのは、自身も熟練の大工である岩橋和雄さんだ。

 施工件数は年間8〜10棟のみ。しかも施工エリアも半田市内を中心にしたクルマで1時間圏内限定。マーケットとしては大きな名古屋市内からの建築依頼も、会社から1時間以内の距離になければお断りすることもあるという。頑なに地元・半田市を中心にするのは、「建物の完成後も自分がしっかりと管理していきたいから」という仕事に対する強いこだわりによるものだ。

 徹底したポリシーは他にもある。建築業界ではポピュラーな集成材を使わず、無垢の木材を使用すること。さらに昔ながらの大工の職人技を生かした 建築手法により、他人と違った家作りをテーマにしていること。そんな、岩橋さんならではの考え方が如実に現れているのが、社屋に隣接する八角形のガレージである。

 「八角形にしたのは敷地の関係もありますが、どうせなら他では見たことがないようなガレージにしたくて」と話すのは、その岩橋さん。たしかに八角形のガレージというのは滅多にお目にかかれないシロモノだ。

 そのユニークなガレージは、中に入って天井を見上げると八角形の形状がよく理解できる。垂木が屋根の中央に向かってきれいに配置されており、ガレージの構造体そのものがデザイン上のポイントにもなっている。

 構造体を表し仕上げとした壁面は、全体が升目のようになっており、そのまま棚の代わりにも使える。床面にも縞鋼板を敷くなど、素材の選択も絶妙だ。さらにガレージの奥には収納を備えたくつろぎのスペースも備わっており、多目的に使用できる空間に仕上がっている。

 ちなみにこのガレージには、昭和45年式の日産スカイラインGT-R(KPGC10型)という、マニア垂涎の1台が収まっている。自身が何よりも無類のクルマ好きでもあるという岩橋さん。仕事で携わる家も、「施主が趣味を思う存分楽しめるような家を提案していきたい」と、常々考えているそうだ。

普段の愛車はスズキ・ジムニー。このためガレージ内にはGT-Rと共にジムニー関連の、メモラビリアなども並んでいる。
内部は天井を見上げるとその構造がよくわかる。木造の躯体は、垂木が屋根の中央に向かってきれいに並ぶ。まさに昔ながらの職人技で建築されたものだ。
スカイラインGT-Rが格納されたガレージ。余裕のある室内にはヴィンテージのチェアやテーブル、大型のツールボックスなどが設置されている。クルマ好きのお客さんとの打ち合わせなら、きっと気分も盛り上がることだろう。
左/片側の壁面には造作されたワークデスクを設置。OSB合板の壁は表し仕上げとなっており、そのまま棚としても使用できるため、ミニカーやフィギュアなどがディスプレイされている。
右/ガレージの奥に設けられたくつろぎのスペース。収納スペースも用意されており、ガレージ作業の合間にひと休みすることのできる多目的な空間となっている。

PHOTO & TEXT_Kazutoshi Akimoto  秋元一利

株式会社CLASSIXが発行する“カリフォルニア生活”を提案するマガジン。
カリフォルニア好きのバイブルとなっている!

Website: www.calog.net
Instagram: cal_magazine

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