VOL.13
自分で作る余地を残したマイホーム
空冷フォルクスワーゲンが佇む
ハーフビルドで仕上げた木造ガレージ
愛車は1966年式のフォルクスワーゲン・タイプ1。 雨の日も風の日もこのヴィンテージモデルを足として使用する。そんな大切な愛車を格納するのは、ハーフビルドの手作りガレージだ。 愛車同様、絶妙に使い込んだ雰囲気を醸し出すスペースには、趣味の道具類もきれいに収納されている。
ガレージのオーナー:
Daichi Morishita
「ガレージに描いた“good Day!”は“こんにちは!”という意味です。ガレージの横を走る川の土手は、毎日色々な人が行き交しています。散歩だったり、ランニングだったり。ボクがガレージでゴソゴソと作業をしていると、通りすがりに、みんなが声をかけてくれるんです。そんなことから“good Day!”とガレージに大きく描いています」
13年前に建築したというマイホームは、“わざわざ未完成のままで仕上げた”という森下さん。幼い頃からなんでも自分で作ってしまう工作好きの性格から、念願のマイホームにも“自分で改造する余地を残した”そうだ。しかも、躯体の構造部こそ専門業者に依頼したが、それ以外の内外装などのほとんどは、父・兄と共に森下さんを交えた親子三人で仕上げたという。現在、木造のガレージとして利用されているスペースも、元々はカーポートだった場所。躯体の構造部のみ新築時に建築会社によって組み上げられ、後に壁や屋根などを森下さん自身が追加し、風雨から愛車を守るガレージとして仕上げたものである。
観音開きのガレージドアもそんな森下さんのDIY作品のひとつだ。天井や壁はホームセンターで購入してきた木材をフレームに、アクリル製の波板を組み合わせている。フォルクスワーゲン・タイプ“1ビートル”がきっちりと納まるパーキングスペースの奥には、鉄工所で使用されていたロッカーも配置し、見せる物と隠す物をはっきり区別してメリハリのある空間を生み出した。
わざわざ未完成のままで仕上げたマイホームカーポートを改造して製作した念願のガレージ
趣味はオートバイとキャンプ。ヘルメットやヴィンテージのキャンプ道具などもガレージに収納し、きれいにディスプレイ。ほかにもフォルクスワーゲンにまつわるメモラビリアやアンティークサインなどをガレージに並べ、過美に飾られることなく自然と使い込んだ味わいのある雰囲気を醸し出している。
ガレージに格納される愛車は 1966年式のタイプ1と同じくヴィンテージモデルのベスパの2台。免許取得後、これまでに5台もの空冷フォルクスワーゲンを所有してきたという根っからの空冷フリークでもあり、ガレージはそんなタイプ1の雰囲気とも絶妙にマッチしている。
PHOTO & TEXT_Kazutoshi Akimoto 秋元一利
株式会社CLASSIXが発行する“カリフォルニア生活”を提案するマガジン。
カリフォルニア好きのバイブルとなっている!
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