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VOL.7
数々のイベントでアワードを獲得したショーカーを格納
母家のディテールに合わせて建築された
アメリカンスタイルのカスタムカー・ガレージ
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独立型のガレージには2台の愛車を格納。普段の足はガレージ脇に設けられた差し掛け屋根の下にパーキングしている。
ガレージは外壁や色合いなどはもちろん、屋根の勾配具合まで母家と意匠を合わせている。
ラップサイディングの外壁に大きなカバードポーチを備えた平屋の一軒家。パームツリーや短く刈り上げられた芝生の庭も広がっている。
大きな敷地には、母家と意匠を合わせたガレージも建築され、数々のショーでアワードを獲得したというスズキ・ジムニーが格納されている。
まるでカリフォルニアやハワイの住宅地のようにも見えるが、ここは茨城県土浦市の郊外。星条旗が棚引く住宅は、青山智一さんとその家族が住まうマイホームだ。
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ガレージのオーナー:
Tomokazu Aoyama
数々のカーショーでアワードを獲得してきた生粋のカーガイ。エアサスを組み込んでスラムドさせたジムニーは、サムライ仕様(海外仕様)に仕上げるためにシエラのボディをスワップ。雑誌の表紙を筆頭に、いくつもの自動車雑誌で取り上げられてきた。自宅やガレージにも、そんなカーガイならではのこだわりが詰まっている。奥様と二人の娘さんと暮らす、良きパパでもある。
学生時代に初めて訪れたアメリカ西海岸でカリフォルニアのカルチャーに魅了されて以来、アメリカ志向のライフスタイルへと変わっていったという青山さん。社会人になってからもハイラックスやジムニーなどをベースに、アメリカンスタイルのカーカスタムを楽しんできた。
今では雑誌のカバーを飾るほどの完成度を誇るジムニーや1951年式シボレー・ビジネスクーペなど、知る人ぞ知るショーカーを複数所有するカーガイとしても知られている。それだけに自宅もまた徹底したアメリカン・スタイルにこだわって建築されたものだ。
2018年に竣工したという母家はアメリカ西海岸を意識した平屋の一戸建て。切り妻の屋根は勾配を緩やかにし、淡いグレーと白いサッシを組み合わせるなど、一つひとつのディテールまで頭の中で描いてきた理想を具現化したものだ。ガレージの建築は、こだわり抜いたその母家の完成から半年後に着工。キットガレージの最大手である「グリーンベル」の代理店である「HI-INDUSTRY」社へ依頼し、母家の意匠に合わせて建築されたという。
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床面にもシートを施工するなど愛車へのこだわりが伺える青山さんのガレージ。
写真手前側にはレストア中の1951年式シボレーが入庫予定だ。
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グリーンベル製「G23」をベースにカスタマイズを加えたガレージ。ドアは開け閉めの際に誤って車体にドアを充てないように引き戸になっている。
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2×4パネル工法で建築されたガレージは、内装の一部を躯体現し仕上げとしている。ラック類は市販のものを流用。バナーやフラッグをディスプレイするなど、アメリカンスタイルに仕上げている。
キットガレージではあるが、そこはオリジナルのままで終わらせることなく、やはり自身の描く理想へと近づけるためにカスタムオーダー。ベースとなったのはガレージサイドに大きな差し掛け屋根を設けたグリーンベル製「G23」だが、母家と意匠を合わせるために屋根の勾配を緩やかな角度になるように設計変更を依頼。外壁材もオプションで選べるパネルに変更し、色合いまで同色でまとめあげた。さらに奥行き方向にサイズも拡張、車両2台を格納しても余裕のあるスペースとするなど、各所に独自のこだわりを反映させている。
こうして完成したガレージは、2台のショーカーを格納するだけでなく、整備やメンテナンスの拠点として活用。数々のイベントで獲得したトロフィーもディスプレイし、自身が歩んできたカーカスタムの歴史を振り返るコーナーも設けている。残念ながら1951年式シボレーはレストア中で撮影はできなかったが、きっと2台の車両が並ぶと、ガレージはたちまちショー会場のように華やかな雰囲気に包まれるのだろう。
ひとりのカーガイが理想を追い求めた夢のカスタムカー・ガレージ。青山さんのガレージは、クルマや家と同じように自身のこだわりを貫いた、世界でひとつだけのマイスペースだ。
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トロフィーやプラークなど、イベントで獲得したメモラビリアが収蔵されているディスプレイラック。ガレージの一角はOSB合板を張り、ポスター類などを飾りやすくしている。
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愛車が表紙を飾った雑誌もガレージ内に飾られている。
国内最高峰のインドアカーショーでもアワードを獲得してきた車両だ。
PHOTO & TEXT_Kazutoshi Akimoto 秋元一利
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