VOL.19
夫婦揃ってクルマ好きだからこそ
MT車2台が格納されたモダンなガレージ
とかくガレージは男性の趣味の象徴かのように捉えられるが、古賀邸のガレージは奥様にとっても大事なスペース。真っ黒なガルバリウム鋼板に囲まれたモダンな住宅の一角にあるビルトインタイプのガレージは、それぞれが乗りこなすMT車を格納し、その姿をリビングから眺められるように設計されたご夫婦共通の趣味のスペースなのだ。
ガレージのオーナー:
Yuki Koga
「ボクはもちろん、妻もクルマ好きなので、家を作るなら最初からガレージはないとダメだと思っていました。岩橋建築さんに出会って、その夢がやっと実現しました。木レンガを使ったフロアをはじめ、クルマ好きならではの視点で様々なカスタマイズを加え、満足のいく家とガレージになりました」
1600個の木レンガを敷き詰めたガレージフロアと
2台分のガレージを一度に開閉するオーバースライダー
かつてはあたりまえだったMT車も、時代の流れと共にAT車の割合が増加、いまとなっては年間に販売される新車の98.5%がAT車だ。合わせて新規の運転免許合格者数の過半数もAT限定免許となっている。MT車はもちろん、そのクルマを運転できるドライバーもまた、年々減り続けている。そんなご時世に、ご夫婦が揃ってクルマ好きというのもこれまた珍しい。それも揃ってMT車を足代わりにするというのが、愛知県知多市に住まいを構える古賀さんご夫妻だ。
2019年9月に竣工したという住まいは、ガルバリウム鋼板を外壁材として採用したモダンな一戸建て。建築施工は半田市の「岩橋建築」が担当し、傾斜のある107坪の土地を有効活用し、スキップフロアの住まいを完成させた。ガレージは建築の当初から計画に盛り込まれたもので、車両2台を十分に格納できるビルトインタイプを住まいの一角に設けている。
オーナーの古賀さんによれば、「飾って眺めるよりも、使えるガレージ」がコンセプト。リビングから吐き出しの大きな窓で区切られたガレージには、ご夫婦が共有するホビールームも設けられており、コロナ禍においてはリモートワークスペースとしても重宝したという。
ユニークなのはその床面だ。駆体の完成後に自身で敷設したフロアは、基礎コンクリートの上全面に、木レンガが敷き詰められている。隣り合うレンガとの間にはうまい具合に隙間もあるので、雨の日に帰ってきても車体から伝い落ちる雨水を床下に溜めてくれるため、フロアの表面に水が溜まることもないそうだ。
このガレージに納まる愛車は、マツダ・ロードスター(NB)とルノー・カングー。前者は主にご主人の足として使用されるが、時にはサーキット走行も楽しめる趣味の1台。走ることが大好きだという奥様が、ロードスターで出勤することもあるそうで、こちらもまた夫婦共同で使用している。ふたりの念願だったガレージは、古賀邸においてなくてはならない最も大切なスペースでもあるのだ。
PHOTO & TEXT_Kazutoshi Akimoto 秋元一利
株式会社CLASSIXが発行する“カリフォルニア生活”を提案するマガジン。
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