ガレージはクルマを止めるためだけのものではない!|Calマガジン-GARAGE Examples- VOL.17

VOL.17

木や鉄を自在に操って生み出した作品の数々
DIY を楽しむためのスチールガレージ

スチール製のガレージは出入口にシャッターを設けず、オープンな設計にしている。躯体そのものは地元の工務店によるオリジナルだ。

ガレージで木工・鉄工などさまざまな作品づくりを楽しむ古賀さん。 愛車を雨風から凌ぐことだけを目的にせず、ガレージをまるでアトリエのように使いながら、“半外”の空間を上手に活用する。雨の日には子供たちの 遊びのスペースとしても利用するなど、親子で楽しむ趣味の空間としてガレージライフを楽しんでいる。

ガレージのオーナー:
Shota Koga

「ガレージができてからはここにいる時間がとても増えました。週末は朝からここでコーヒーを淹れて始まり、ランチもガレージで楽しむことが多いですね。DIY作品は休日にこのガレージで製作しており、完成するたびにSNSで公開しています。気になった方はDMでご連絡くださいね」

ガレージはアトリエであり、半外のリビングであり
そして子供たちとの憩いのスペースとしても活用

スチール製のガレージに止まるのはホンダ・ステップワゴン。レストア中のカブに腰かけるのがオーナーの古賀さんだ。

ガレージはクルマを止めるのが目的だけではない。多趣味な人ほど、ガレージを多目的なスペースとして活用し、充実したライフスタイルを楽しんでいる。福岡県筑後市に住む古賀さんもまた、ガレージを木工・鉄工などさまざまなDIY作品を生み出すアトリエとして利用するひとりだ。

 2017年に竣工した自宅敷地内に建築されたガレージは、母屋を建築した工務店のオリジナル。自宅の建築時に基 礎コンクリートだけを先に打設し、翌年にガレージを増築。スチール製の躯体にはシャッターやドアを設けず、20坪のオープンな空間としている。

 車両2台が余裕で止められるガレージにはミニバンを止めるだけで、残りの空間はいつもフリースペース。壁面に沿って造作の作業用デスクを備え付けているが、それでも大きなスペースがいつも空いている。じつはこのスペースこそが、DIY 作品を生み出す場所なのだ。

 職業はメカニック。このため金属系の加工はお手のもの。さらに木工関係の電動機類も充実させ、木工・鉄工を組み合わせたDIY作品をガレージから生み出している。

 作品の大半はSNSなどで披露しており、DMなどを通じて欲しい人へ譲ることも。最近のヒット作は缶コーヒーの空 き缶をリメイクしたプランター。多肉植物を入れるのにちょうどいいサイズで、スマホのデスクトップ・ホルダーとして利用する人も多いそうだ。大きなものではドラム缶を加工したベンチやテーブルも製作する。自らのガレージで使用するために製作した作品は、SNSで反響を呼び、「譲って欲しい」とか「購入したい」というメッセージが大量に届いたそうだ。

 そんなDIY作品の製作と並行して、最近はカブのレストアも始めた。不動車だった個体を引き取り、コツコツと修理を続けていると、子供たちが母屋から遊びにやってくる。お父さんの遊び場は、子供達にとっても楽しい遊びのスペース。時には一緒になってDIY作品を作ることも。

 シンプルなスチール製ガレージだが、古賀さんにとってこのスペースはアトリエであり、半外のリビングであり、同時に子供たちと一緒に遊べる大切な空間でもあるのだ。

週末はガレージで過ごすことの多い古賀さん。広々としたスペースはこどもたちにとっても格好の遊び場となっている。
職場の上司から譲ってもらったという不動車のカブ。4輪のメカニックだが、2輪車の修理もお手のもの。着々とレストアを進めている。
大型のDIY作品のひとつであるドラム缶を材料にしたベンチ&テーブル。ドラム缶をグラインダーで切断して木材と組み合わせている。アクセントにエイジング(錆)ペイントを加えて完成。雑誌のDIYコンテストで賞を獲得したこともある作品だ。
冷蔵庫や棚はガレージの中と馴染ませるためにペイント。見せたくないものはきっちりと収納する。
左上:木製パレットを加工したロッドフォルダーもDIY作品のひとつ。
右上:自分で造作した木製の作業テーブル。万力や電動工具などを使えるように耐荷重も計算して備え付けた。OSB合板を設置して、細々としたものを収納するボックスもくくりつけている。

PHOTO & TEXT_Kazutoshi Akimoto  秋元一利

株式会社CLASSIXが発行する“カリフォルニア生活”を提案するマガジン。
カリフォルニア好きのバイブルとなっている!

Website: www.calog.net
Instagram: cal_magazine

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