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VOL.8
ホットロッド&ハーレーダビッドソンを格納する
オフィスや工房に隣接された
インダストリアルなガレージ
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千葉県・南房総エリアに建築された三善邸は、ご夫婦自慢のアメリカン・ヴィンテージがずらりと並び、その壮観なコレクションに誰もが惹かれる。まさにマニア羨望のお宝が美しくディスプレイされた、趣味の巣窟であった。
工具や機械、オイルなどが並ぶガレージはそもそも“インタストリアル”な雰囲気がよく似合う。
廣川さんのガレージは、さらにブリックタイルで一面を飾った壁面や、現し仕上げとした剥き出しの鉄骨、さらにはフォード・モデルAのホットロッドやハーレーダビッドソンなど、ガレージの意匠から格納される車両までヴィンテージなアメリカン・スタイルで統一。インダストリアルな雰囲気を強調した見応えのあるスペースとしている。
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ガレージのオーナー:
Hideyuki Hirokawa
新潟市の郊外で建築塗装会社「ヒロカワ・ペイントファクトリー」を営む廣川さん。事務所と工房、ガレージを一体化させた社屋は、仕事と遊び、両方の拠点として5年前に完成させたもの。古屋を解体してスケルトンにした上でリノベーション。歴史を感じさせる無垢の梁や柱はそのままに、内外装を“インタストリアル”な雰囲気で仕上げたものだ。https://www.hirokawa-paint-factory.com
インダストリアルは工業的という意味。近年は工場や倉庫のような無骨なイメージで仕上げられたインテリアを“インタストリアル・スタイル”と呼ぶことが多いようだ。流行の発端はアメリカ東海岸から。ニューヨークはマンハッタン島の対岸にあるブルックリンで、古びた倉庫を改装したスタイリッシュなアパレルショップなどが相次いでオープンしたことから、インテリアのお手本として雑誌などで取り上げられるようになり、日本でも注目を浴びるようになった。もっとも、残念ながら日本では“〜風”に仕上げた物件が大半で、古屋をベースにした本場さながらのスタイルは、少ないようだ。
新潟市の郊外で塗装業を営む廣川さんは、欧米の実例のように古屋を改修してインダストリアルな雰囲気に仕上げたオフィス兼ガレージを建築、仕事と共に趣味のバイクライフを楽しんでいる。もともと建具屋さんの工房として使用されてきた建物をスケルトン化してリノベーションし、オフィスと塗装工房、さらに趣味のガレージを一体化。梁や柱はそのまま残し、得意の内装仕上げを加えて、まさに“インタストリアル”な雰囲気にまとめている。
オフィスには趣味のオートバイやクルマを格納する大型のガレージも併設。こちらも、もともとあった梁や柱を残してリノベーション。木造ながらも所々に重量鉄骨の梁を渡したハイブリッド設計だったということもあり、開放感のある吹き抜け造としてリフォームしている。
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ガレージに隣接するオフィスは最近流行りの造形モルタルではなくブリックタイルを用いてブルックリンのスタイリッシュなオフィスのようにイメージチェンジ。
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オフィスには趣味のオートバイやクルマを格納する大型のガレージも併設。こちらも、もともとあった梁や柱を残してリノベーション。木造ながらも所々に重量鉄骨の梁を渡したハイブリッド設計だったということもあり、開放感のある吹き抜け造としてリフォームしている。
ガレージはコンクリートの土間仕上げで、5台のハーレーダビッドソンを筆頭に合計7台のオートバイ、さらに1928年式のフォード・モデルA・ピックアップ・ロードスターを格納。階段下には工具や整備スペースも設け、オートバイの重整備やレストレーションなどの作業も楽しんでいる。 一方、ガレージの2階は足場板を敷設してリビングスペースへと変更済み。ソファやテレビ、ベッドやカウンターも備えて、バイク仲間が集うスペースとした。天井がなく小屋組が露出した現し仕上げとしているため、見上げると時代を経てきた無垢の木材が縦横に走っているのがよくわかるのもユニークだ。
仕事も趣味も楽しめる場所として作り上げたこのスペースは、将来はカフェに転用することも検討中。「塗装業をやめたらバイク仲間の集まれるカフェをオープンしたいんです」と微笑む廣川さん。スタリッシュなインテリアは、きっとカフェとしてオープンしても、話題のスポットとして注目される存在になるだろう。
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PHOTO & TEXT_Kazutoshi Akimoto 秋元一利
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