銭湯などの大浴場でのマナー|べっぴん塾

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第五十六回

銭湯などの大浴場でのマナー
心得についてお話しいたしましょう

 

幕末の頃、日本を訪れた人の手記に「桶で湯をかけた時の『しぶきの行く先』を気にしている日本女性の姿が美しい」と書き残されています。心遣いから生まれる美しい所作は日本に残したい無形の財産です。この度は大浴場での心得についてお話ししたいと思います。

①タオルで隠して慎ましく
女性の場合、フェイスタオルを縦長にして体の前面を隠します。もちろん隠しきることはできないのですが、何も隠さないのは慎みに欠きます。このような所作を子どもが真似ることで「恥じらい」の心を育んできたのではないかと思います。湯船にタオルを浸けてはいけませんので、湯船につかる時は、前面を隠していたタオルを徐々に引き上げていき、そして濡れないところにタオルを置きます。置くところがなければ、頭の上にのせます。

②湯船に入る前に必ず体を洗う
③体を洗う時は椅子に座り、低い姿勢で
しぶきを小さい範囲におさめる為、体や髪は椅子に座って洗います。使用後の椅子と湯桶は洗って元の場所に美しく揃えて戻します。

④しぶきの行き先を気にかける
時々人のシャワーの湯が飛んできて驚くことがあります。人を驚かせず、また、湯船にしぶきが入らないように気をつけます。

⑤髪が湯船につからないように
髪が長い人は必ず束ね、湯につからないようにします。

⑥おしゃべりは控え目に
お風呂は1日の疲れを癒やすところ。浴場ではおしゃべりを控えて静かに過ごします。

⑦湯船には静かに入る
先に湯船につかっていらっしゃる人を波で揺らさないように、湯船には静かに入ります。

⑧体を拭いてから脱衣所に
脱衣所を濡らさないように、体の水滴を手持ちのタオルで拭いてから浴場を出るようにします。

⑨落ちた髪の毛の始末
後の人が気持ち良く使えますように、洗面台や床に落ちている髪の毛を残さないように掃除をします。

大浴場は日本の文化を味わえ、また学びが多い場所でもあります。マナーに億劫にならず、その良さを楽しんでいただけたらと思います。

(1/8/2026)


筆者・森 日和

禮のこと教室 主宰 礼法講師
京都女子大学短期大学部卒業後、旅行会社他にてCEO秘書を務めながら、小笠原流礼法宗家本部関西支部に入門。小笠原総領家三十二世直門 源慎斎山本菱知氏に師事し、師範を取得する。2009年より秘書経験をいかし、マナー講師として活動を開始する。
2022年より、廃棄処分から着物を救う為、着物をアップサイクルし、サーキュラーエコノミー事業(資源活用)・外国への和文化発信にも取り組む。
https://www.iyanokoto.com

 

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