駐車場代1ドル LA市立図書館の楽しみ方

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アメリカ101 第212回

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(前号から続く)このように午後3時以降は、ロサンゼルス市立図書館(LAPL)本館地下の駐車場(正式名称は「524 South Flower Street Garage」)は、時間に関係なく料金は一律1ドル。「午後3時以降」には意味があります。ニューヨークや首都ワシントンといった東海岸沿いの地域では、時差の関係で、この時間が午後6時に相当し、ビジネス活動が終わりを告げている時刻だからです。  

ロサンゼルス・ダウンタウンのオフィス街では、東部の都市に本社や出先事務所があり、密接な連絡をとりながらビジネスを展開しているところが多く、午後3時を過ぎると帰宅モードとなります。それに伴いLAPL本館地下を含めた一帯の地下駐車場も空車スペースが増えるため、料金は一律1ドルの“激安レート”にスイッチです。  

フラワーストリートに面した1926年建造の図書館は、公共図書館としてはアメリカで三番目の大きさを誇り、アメリカの歴史的建造物として登録されている由緒あるもの。蔵書数はほぼ300万冊で、床面積53万8000平方ft、書架は全長90マイルにも及びます。職員や利用者を合わせて1400人が着席可能。地下部分を含めて8階建てで、床面積53万8千平方ft。  

「情報の宝庫」と表現しても過言ではない、その“威力のほど”は、そのホームページを一瞥するだけで明らかです。  まず「グーグル検索」で「LAPL」と入力すると、中程に「Magazine & Newspaper」というタイトルの箇所があります。そこにはThe New York Times,The Washington Post, Wall Street Journalという「アメリカの3大日刊紙」へのアクセス・ポータルが表示されており、それぞれをクリックすると、これら新聞の当日の全紙面を読むのが可能。過去の記事を検索する必要があれば、「ResearchーDatabase」と進むと、関連したいくつかの単語を入力するだけで、候補とみられる記事に辿り着けます。他の新聞や雑誌の記事も、同じ箇所のLibbyやPressReaderをクリックすれば、世界中の無数の英語の雑誌の最新号の表紙が即時に表示されて、利用可能です。そして、嬉しいことに日本語のニュース週刊誌や月刊の趣味雑誌などの最新号やバックナンバーも読むこともできるのです。  

前回のコラムで紹介した雑誌に加えて、「HiVi」や「ステレオサウンド」、「プレジデント」「VOGUE JAPAN」「フィガロジャポン」「GQ Japan」「GOLF TODAY」「NHK大相撲中継」「ワイン王国」といった雑誌が読み放題です。  

LAPLではオンラインを通じて、このような本来の図書館として機能のほかに、AV時代を反映して、数えきれない劇映画、ドキュメンタリー映画、テレビドラマなどの動画へのアクセス可能なKanopy,hoopla digital,medici.tvといったサービスも利用できます。紙面の関係で、これらについては今回は紹介できませんが、近い将来に対面方式で、読者の皆さんにご紹介できればと考えています。
  

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著者/ 佐藤成文(さとう しげふみ)

通称:セイブン

1940年東京出身。早稲田大学政治経済部政治学科卒。時事通信社入社、海外勤務と外信部勤務を繰り返す。サイゴン(現ホーチミン市)、カイロ、ベイルート、ワシントン、ニューヨーク、ロサンゼルス各支局長を歴任し、2000年定年退社。現在フリーランスのジャーナリストとしてロサンゼルス在住。


(12/5/2023)

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