バイデン大統領選から撤退 アメリカの歴代大統領の年齢

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アメリカ101 第240回

. アメリカは現在4年に一回の大統領選挙の渦中にあります。ここ数週間はジョー・バイデン現大統領(81)が再選に乗り出すのかどうかの去就が焦点となっていましたが、21日に撤退を表明してからは、後継候補に名指しされたカマラ・ハリス副大統領(59)が、ホワイトハウス返り咲きを目指すドナルド・トランプ(78)と対峙するという新たな構図のもと、今度は、ハリスのほぼ20歳年長の“後期高齢者”であるトランプの年寄りぶりが目立ち、その高齢ぶりが問題視される可能性が出てきました。

 11月5日投票日まで、あと4か月にわたり選挙戦が続くわけですが、比較的若いハリスに対峙するのが、ほぼ20歳年長のトランプとあって、トランプ側に“年寄りぶり”を露呈するような言動が目立つようなことがあれば、大統領としての職務を遂行できるかの議論が沸騰する可能性もあります。そんなわけで、今回はアメリカの歴代大統領の年齢に関する話題です。

 今回の大統領選挙は、アメリカ建国以来46回目となります。歴代大統領就任時の平均年齢は55歳で、最若年で就任した大統領は、第26代のセオドア・ルーズベルトで、42歳322日でした。1900年の大統領選挙で副大統領候補として立候補・当選したあと、ウィリアム・マッキンリー大統領暗殺で大統領に昇格。日露戦争の講和交渉での仲介で1906年ノーベル平和賞を受賞しています。

 ニューヨーク州サガモアヒルにある、歴史的建造物として保存されている邸宅は、乗馬の態勢から邸内に移動できるように建設されている玄関があり、その空間には、日本政府からの感謝の意味で贈与された鎧兜一式が飾られています。

 次に若くして大統領に就任したのは、ルーズベルトとは違い、本人自身が大統領候補として当選した第35代のジョン・F・ケネディ(JFK)で、就任時は43歳236日でした。前任者で軍人出身のドワイト・アイゼンハワーが62歳でしたから、「若きハンサムな政治家」として、選挙選当時から政治家としては異例の映画スター的な人気者だったのですが、43歳という若さでテキサス州ダラス訪問中に凶弾に倒れます。就任1年足らずで、ソ連と対峙したキューバ危機に直面、毅然とした対応で乗り切った手腕は高く評価されたものの、全面的に実力を発揮することなく故人となりました。

 アメリカ史上、若い年齢で就任した大統領としては、JFKのほかに、第42代ビル・クリントン(46)、第44代バラク・オバマ(47)などがいます。

 逆に高齢者として大統領となった政治家のうち、最年長がバイデン現大統領(第46代)で、実に就任時78歳という「後期高齢者」です。もし当初の再選意向を成し遂げていたら、任期満了時には86歳となるはずでしたから、さすがに本人も、それが“無理筋”だと自覚した結果が21日の撤退決意だったのでしょう。

 バイデンの撤退発表で、最年長者は、78歳で再選を狙うトランプとなりますが、“無理筋”などは意に介さない“御仁”ですから、喜々として80歳代の大統領として、活躍することを狙っているのではないでしょうか。

 

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著者/ 佐藤成文(さとう しげふみ)

通称:セイブン

1940年東京出身。早稲田大学政治経済部政治学科卒。時事通信社入社、海外勤務と外信部勤務を繰り返す。サイゴン(現ホーチミン市)、カイロ、ベイルート、ワシントン、ニューヨーク、ロサンゼルス各支局長を歴任し、2000年定年退社。現在フリーランスのジャーナリストとしてロサンゼルス在住。


(7/17/2024)

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