世界一の図書館都市 ロサンゼルス

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アメリカ101 第211回

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今週と来週の2回にわたり、このコラムでは図書館の“実利特集”ということで、ロサンゼルスにいながらにして、「毎日新聞」 「サンデー毎日」「週刊東洋経済」「週刊ダイアモンド」「ニューズウィーク」(日本版)といった日本の代表的な日刊紙やニュース週刊誌が自宅で24/7(毎日24時間、週7日間)「読み放題」というサービスが、公共図書館のインターネットを通じて常時オンラインで利用できる一方で、実際に近隣の図書館に足を運んで容易に蔵書に接するのも可能という、旧来型の情報入手時代の“宝庫”ともいえる、そんなロサンゼルスでの公共図書館の実情を紹介していきます。  

まずその中心的な存在が、ダウンタウンに本館のあるロサンゼルス市立図書館(LAPL)本館と72の分館です。そして、これとは別にロサンゼルス郡当局も独自に計86の図書館を運営しているほか、パサデナ、サンタモニカ、トーランス、レドンドビーチといった各自治体が運営する市営の図書館や分館もあり、それらを含めると、人口1000万人弱の郡全体での図書館網はおそらく世界最大規模と見られています。  

それこそ自宅からクルマを10分ほど走らせれば、周辺には何か所かの図書館があるというほど、ロサンゼルス一帯は「世界一の図書館都市」「世界の図書館首都」とさえいえるほどではないでしょうか。そして、その蔵書の規模や立地、駐車場の有無などの要因で使い分けることができるわけですから、それを利用しない手はありません。  

そんな本題に先立って、あまり声高には紹介すべきではないかもしれませんが、まずは「知る人ぞ知る」といった感じのLAPLの地下にある駐車場の利用方法があるという、おさらいです。この駐車場から歩いて5分弱のところに位置する日本総領事館へのアクセスの“足場”としての“流用”です。  

もちろん総領事館のある高層ビルの地下には駐車場があるのですが、高価です。近くの路肩にはメーター方式の有料駐車スペースもあるのですが、ご存知の通り、日中は満車状態です。  

一方、LAPL本館の地下には広大な駐車場があります。ビジネス街の中心という便利な位置にあるため、平日には満車状態となるようですが、午後3時ごろには早朝出勤のビジネスマンの帰宅ラッシュが始まるようで、少々スペースが空いてきます。この「午後3時」という時刻が大きな“分岐点”です。  

それというのも、この駐車場の料金は、通常は「最初の1時間は1ドル」ですが、その後「2時間目と3時間目はそれぞれ4ドル」で、この時点で計9ドルとなり、4時間目からは「10分毎に3・50ドル」と急上昇し、最高35ドルで歯止めがかかる仕組みです。しかし午後3時以降に入車すると一律1ドルの“激安レート”が適用されるという激変ぶりです。(続く)

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著者/ 佐藤成文(さとう しげふみ)

通称:セイブン

1940年東京出身。早稲田大学政治経済部政治学科卒。時事通信社入社、海外勤務と外信部勤務を繰り返す。サイゴン(現ホーチミン市)、カイロ、ベイルート、ワシントン、ニューヨーク、ロサンゼルス各支局長を歴任し、2000年定年退社。現在フリーランスのジャーナリストとしてロサンゼルス在住。


(11/29/2023)

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