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アメリカ101 第236回
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年に一度の夏季オリンピックは、奇しくもアメリカの大統領選挙と同じ年に開催されるのですが、7月26日に開会式を迎えるパリ五輪に次ぐ2028年のロサンゼルス五輪でのソフトボールとカヌースラロームの2種目の開催地が、ロサンゼルスから2000キロ離れたオクラホマシティーとすることが6月21日に、同組織委員会(LA28)から発表がありました。
1932年、1984年に続き3回目の夏季五輪開催地となるロサンゼルスについては、LA28は、開催コストの肥大傾向を抑えるために、新たな施設を一切建設しないという方針です。南カリフォルニア一帯にはソフトボールとカヌースラロームの既存の専門競技場がないことから、国際オリンピック委員会(IOC)の了承を得て、遠隔地となるものの、両種目の施設を有するオクラホマシティーを選んだものです。
LA28は同時に、バスケットボールの会場として、プロ・バスケットボール(NBA)所属のロサンゼルス・クリッパーズの本拠地となる、ロサンゼルス国際空港(LAX)に近い新設のインテュイット・ドーム(Intuit Dome)とすることを明らかにしました。これにより、各競技種目の大半はロサンゼルス郡(county)内に収まり、域外はオクラホマシティーと、リバーサイド郡ゴールウェイにある馬術会場ゴールウェイ・ダウンズ(Galway Downs)だけとなります。
各競技施設の変更などの決定権は主催都市であるロサンゼルス市にあり、今後も会場変更の“玉突き”現象で、バスケットボールがインテュイット・ドームに移るため、当初の会場クリプト・ドット・コムには、体操競技が旧来のフォーラムから移動する予定です。競泳の会場にはソーファイ内に特設プールを設けることで、現在ソーファイ内にある特別観覧ブースやレストランも観客用に転用し、収入増を実現できる目論見です。このような暫定的な施設整備が可能なために、「スポーツ都市」としてのロサンゼルスの価値が一段と高まるものとみられており、今後のスポーツや音楽フェスなどのイベントの開催でのロサンゼルスの“声価”が一段と注目されるという“レガシー”が期待されています。
IOCとしても、今後とも観光収入の増加などを期待してオリンピック開催に積極的に乗り出す都市を確保するには、コスト面から躊躇するするというマイナス要因を取り除くという必要があり、今回のロサンゼルス五輪が、その実績を挙げることができれば、「LA28大成功」となるわけで、1984年のロサンゼルスとしては2回目のオリンピックで、「黒字オリンピック」を実現させた実業家ピーター・ユベロスの辣腕ぶりを倣う意気込むのようです。
3回目の五輪という実績で、新設ではなく、既存の五輪施設の改修利用も大きな役割を演じる予定。コロシアムに隣接する、1932年五輪で使用したプールはダイビング種目に改修するほか、野球はドジャー・スタジアム、サッカーはローズボウル、ビーチ・バレーボールはサンタモニカとなり、カーソンにあるディグニティ・ヘルス・スポーツ・パークなどもオリンピック関係のイベントに利用するものとみられています。
近年オリンピックの商業化が話題になりますが、既存施設には冠ネーミングが目立っており、それらの施設も一時的な“改名”が必要で、例えばクリプト・ドットコムも開催期間中の17 日間は、「アリーナ・イン・ダウンタウン」(Arena in Downtown L.A.)との呼称が使われます。
1932年、1984年に続き3回目の夏季五輪開催地となるロサンゼルスについては、LA28は、開催コストの肥大傾向を抑えるために、新たな施設を一切建設しないという方針です。南カリフォルニア一帯にはソフトボールとカヌースラロームの既存の専門競技場がないことから、国際オリンピック委員会(IOC)の了承を得て、遠隔地となるものの、両種目の施設を有するオクラホマシティーを選んだものです。
LA28は同時に、バスケットボールの会場として、プロ・バスケットボール(NBA)所属のロサンゼルス・クリッパーズの本拠地となる、ロサンゼルス国際空港(LAX)に近い新設のインテュイット・ドーム(Intuit Dome)とすることを明らかにしました。これにより、各競技種目の大半はロサンゼルス郡(county)内に収まり、域外はオクラホマシティーと、リバーサイド郡ゴールウェイにある馬術会場ゴールウェイ・ダウンズ(Galway Downs)だけとなります。
各競技施設の変更などの決定権は主催都市であるロサンゼルス市にあり、今後も会場変更の“玉突き”現象で、バスケットボールがインテュイット・ドームに移るため、当初の会場クリプト・ドット・コムには、体操競技が旧来のフォーラムから移動する予定です。競泳の会場にはソーファイ内に特設プールを設けることで、現在ソーファイ内にある特別観覧ブースやレストランも観客用に転用し、収入増を実現できる目論見です。このような暫定的な施設整備が可能なために、「スポーツ都市」としてのロサンゼルスの価値が一段と高まるものとみられており、今後のスポーツや音楽フェスなどのイベントの開催でのロサンゼルスの“声価”が一段と注目されるという“レガシー”が期待されています。
IOCとしても、今後とも観光収入の増加などを期待してオリンピック開催に積極的に乗り出す都市を確保するには、コスト面から躊躇するするというマイナス要因を取り除くという必要があり、今回のロサンゼルス五輪が、その実績を挙げることができれば、「LA28大成功」となるわけで、1984年のロサンゼルスとしては2回目のオリンピックで、「黒字オリンピック」を実現させた実業家ピーター・ユベロスの辣腕ぶりを倣う意気込むのようです。
3回目の五輪という実績で、新設ではなく、既存の五輪施設の改修利用も大きな役割を演じる予定。コロシアムに隣接する、1932年五輪で使用したプールはダイビング種目に改修するほか、野球はドジャー・スタジアム、サッカーはローズボウル、ビーチ・バレーボールはサンタモニカとなり、カーソンにあるディグニティ・ヘルス・スポーツ・パークなどもオリンピック関係のイベントに利用するものとみられています。
近年オリンピックの商業化が話題になりますが、既存施設には冠ネーミングが目立っており、それらの施設も一時的な“改名”が必要で、例えばクリプト・ドットコムも開催期間中の17 日間は、「アリーナ・イン・ダウンタウン」(Arena in Downtown L.A.)との呼称が使われます。
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著者/ 佐藤成文(さとう しげふみ)
通称:セイブン
1940年東京出身。早稲田大学政治経済部政治学科卒。時事通信社入社、海外勤務と外信部勤務を繰り返す。サイゴン(現ホーチミン市)、カイロ、ベイルート、ワシントン、ニューヨーク、ロサンゼルス各支局長を歴任し、2000年定年退社。現在フリーランスのジャーナリストとしてロサンゼルス在住。
(6/27/2024)