

筆者・志村 朋哉
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南カリフォルニアを拠点に活動する日米バイリンガルジャーナリスト。オレンジ・カウンティ・レジスターなど、米地方紙に10年間勤務し、政治・経済からスポーツまで幅広く取材。大谷翔平のメジャー移籍後は、米メディアで唯一の大谷番記者を務めた。現在はフリーとして、日本メディアへの寄稿やテレビ出演を行い、深い分析とわかりやすい解説でアメリカの実情を日本に伝える。
通信001
ハリス vs トランプ:選挙前にこれだけは知っておこう!
11月5日に投開票が行われる米大統領選挙で、カマラ・ハリス副大統領とドナルド・トランプ元大統領が対決することを知らない人はいないでしょう。この選挙は、株価や世界情勢にも大きな影響を与えるため、日本人にとっても無視できないものです。南カリフォルニアに住む私たちも、この歴史的な選挙に立ち会うことになります。
しかし、「選挙人制度」や「勝者総取り方式」という独特な仕組みもあって、アメリカ生活が長い人であっても、「どうやって勝者が決まるのか」は、理解しづらいと感じるかもしれません。今回は、そんな複雑な選挙の仕組みを解説します。
まず、アメリカの大統領選挙は、国民が直接、大統領を選んでいるわけではありません。投票用紙には候補者の名前が書かれていますが、実は有権者が選んでいるのは大統領ではなく、各政党が指名した「選挙人」という代表者たちです。この選挙人たちが、あとで正式に大統領と副大統領を選びます。
選挙人は全部で538人いて、これは各州の人口(正確には連邦議員の数)に基づいて割り当てられています。たとえば、カリフォルニア州は人口が最も多いため、選挙人の数も最多の54です。最終的には、過半数である270以上の選挙人を獲得した候補が大統領になります。
ここで重要なのが、ほとんどの州で採用されている「勝者総取り方式」です。これは、州内で最も多くの票を得た候補者が、その州の全ての選挙人票を獲得するという仕組みです。
極端な例ですが、候補Aが1,000,001票、候補Bが1,000,000票を得た場合、わずか1票の差であっても、候補Aがその州のすべての選挙人票を獲得し、候補Bは一人も得られません。1%未満の差が州全体の結果を左右する可能性があり、負けた側には何も残らないというのが、この方式の大きな特徴です。
民主党と共和党が拮抗する激戦州は「swing states」と呼ばれ、これらの州での結果が大統領選挙を左右することがよくあります。2016年の大統領選では、ヒラリー・クリントン候補が、カリフォルニアやニューヨークなどで差をつけ、総得票数ではトランプ候補を約290万票も上回りました。しかし、いくつかの激戦州で負けたため、選挙人の数で敗れてしまいました。
つまり、アメリカの大統領選では、全米で最も多くの票を得た候補が必ずしも勝つわけではなく、特定の州での結果が非常に重要です。特に激戦州では、1票の重みが大きくなります。
今回の選挙で鍵を握るとされる激戦州は、五大湖周辺のペンシルベニア、ウィスコンシン、ミシガン、西部のネバダ、アリゾナ、そして南部のノースカロライナ、ジョージアなどです。選挙予測サイト『538』によると、ハリス氏とトランプ氏の勝率はほぼ互角。両候補とも、これらの激戦州を重点的に訪れ、有権者に支持を訴えています。
では、私たちが住むカリフォルニアはどうでしょうか。カリフォルニアでは1992年以降、ずっと民主党候補が勝ち続けていて、特に2008年以降は60%以上の票を得ています。今回もハリス氏が99%以上の確率で勝利すると予測されています。そのため、「自分の一票に意味があるのか」と疑問に思う人もいるかもしれません。
しかし、カリフォルニアでの投票は、大統領選だけでなく、連邦議会選挙や地方選挙にも大きな影響を与えます。特にロサンゼルス郡やオレンジ郡の下院選挙区は激戦区となっており、これらの結果がアメリカ全体の政治にも大きく影響します。次回は、これらの地方選挙について解説します。
(10/16/2024)
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