【ロサンゼルス29日日】米国で春から初夏にかけての行楽シーズンを迎える中、ダニ(tick)に噛まれる被害が急増し、救急外来を受診するケースがここ数年で最も高い水準に達していることが分かった。医療機関や疾病対策センター(CDC)のデータでは、ダニ関連の救急受診は例年の平均を大きく上回っているという。
今年は特に4月の時点で、救急受診100件あたり約71件がダニ咬傷に関連するという異例の数字が報告され、過去の季節平均(約30件)と比べて2倍以上に増加している。専門家は「ここ数年の中でも最も高い季節レベル」と指摘し、警戒を呼びかけている。
背景には、気温の上昇や湿度の高さによるダニの活動期間の拡大があるとされ、例年より早い時期から活発化していることが影響している。また、野外活動の増加により、人間とダニの接触機会が増えていることも一因とみられる。
ダニはライム病をはじめ、ロッキー山紅斑熱、エーリキア症、アナプラズマ症、さらには肉アレルギーを引き起こす「アルファガル症候群」など複数の感染症を媒介することで知られている。感染症によっては、発熱や関節痛、重症化すると神経障害や臓器障害につながるケースもある。
専門家は予防策として、草むらや森林などダニが多い場所を避けること、虫よけ剤の使用、長袖・長ズボンの着用、そして帰宅後の全身チェックを強く推奨している。また、ダニを見つけた場合はできるだけ早く取り除くことが重要とされている。
お出かけが増えるこれからの季節、自然の中でのレジャーを楽しむ一方で、“小さな吸血生物”への備えも欠かせない状況となっている。
<関連記事>
西海岸でクジラの大量死が深刻化 2026年は“近年最悪の年”との懸念も
米グリーンカード申請は「母国で」導入へ 非移民ビザ保持者に大転換、数十万人に影響か
アメリカで帰化市民の“市民権剥奪”が加速 日本人の永住権取得や二重国籍にも影響か
アメリカのビザ取得がさらに厳格化 面接での回答が重要に