米メディアで話題 大統領専用機 タラップの階段が24段から14段へ

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アメリカ101 第200回

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来年11月の大統領選挙を控えて、「利用する専用機のタラップの階段が24段から14段へ」という変わり具合がメディアの間で話題です。

昨年11月に80歳の“傘寿”に達し、アメリカの歴史上で「最年長の大統領」という記録を更新し続けているジョー・バイデン。このところ大統領専用機「エアフォース・ワン」に乗り降りする際に、機体の胴体左側に横付けされた通常のタラップ上でつまずき、バランスを崩して手をつくといった“醜態”をしばしば繰り返してきました。その様子はYouTubeにアップされたいくつかの映像で見ることができますが、それ以外にも、同じようなことがあったと推測されます。

このため、これがバイデンにとって身の危険となるだけでなく、見苦しいということで、機体後部の乗降口を使うことになったそうです。同専用機の本来のタラップの階段は24段なのですが、それより10段短い後部のタラップを使えば、つまずく可能性を低くできるという、かなり姑息な対応策。言ってみれば、それだけバイデンの“後期高齢者”としての「動作能力」(mobility)が衰えているということでしょうか。

今回の選挙、民主党からは、バイデン以外にも、何人かの“泡沫候補”が名乗りをあげているものの、党内では現職大統領であるバイデン以外の候補は考えられないというのが流れです。  たとえば立候補者のひとりに、ジョン・F・ケネディ大統領(JFK)の甥で、ロバート・ケネディ司法長官の第3子であるロバート・ケネディ・ジュニア(RFK Jr.)がいます。ケネディ家一族といえば、民主党の最高のブランド(名家)です。

ところが同氏は、新型コロナウイルス感染の予防ワクチンについて、専門家の間では、その効用や安全性で問題はないというのが大方の見解であるにもかかわらず、一部の懐疑論あるいは陰謀論に組みして、それを“信奉”しています。そのような人物が、民主党の大統領候補として相応しいかどうかの議論があり、ケネディ家一族にもかかわらず、“泡沫候補”扱いとなっています。

それでは「バイデン続投」で民主党内、さらには世論が「異論なし」で一致しているわけではありません。なによりも、大統領2期目の任期を終える際には86歳という“米寿”直前の高齢者となる点です。

今年5月にNBCテレビが実施した世論調査では、バイデンが「大統領として不可欠なメンタルおよび肉体面での健全な状態あるか」との設問に、68%が「懸念」と回答し、中でも、「重大な懸念」が55%に達したとのこと。

たしかに今年6月に記録されているだけでも、「高齢」に起因するとみられる言い間違いが5件ありました。喧伝されたのは、同月16日にコネチカット州での銃規制への言及で、最後に「God save the queen, man」と発言したことでした。「女王陛下に神のご加護を、とか言っちゃって」という感じですが、銃規制とどのような関係があるのか、ホワイトハウスの側近さえ分からず仕舞いでした。また訪米したインドのナレンドラ・モディ首相を「中国の指導者」と呼び、さらにロシア軍の侵攻に直面したウクライナを、2度にわたりイラクと口にするという有様で、メディアが大きく報道、話題となりました。

そんなわけで、高齢者バイデンの一挙一投足へのメデイアの厳しい目配りが続きます。

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著者/ 佐藤成文(さとう しげふみ)

通称:セイブン

1940年東京出身。早稲田大学政治経済部政治学科卒。時事通信社入社、海外勤務と外信部勤務を繰り返す。サイゴン(現ホーチミン市)、カイロ、ベイルート、ワシントン、ニューヨーク、ロサンゼルス各支局長を歴任し、2000年定年退社。現在フリーランスのジャーナリストとしてロサンゼルス在住。


(8/22/2023)

 

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