ありがとう台湾、忘れない絆|べっぴん塾

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第八十四回

ありがとう台湾、忘れない絆
二五〇億円に込められた真心

台湾人通訳の李久惟さんと一緒に講座をさせていただいたことから、日本から見た台湾ではなく、台湾の人達から見た台湾の歴史についてお聞きする機会に恵まれました。

二〇一一年三月十一日に東日本で未曾有の大震災が起こり、その際には、多くの国の皆さまからご支援をいただきました。米国の皆さまにも多大なご支援を賜りましたが、この度は台湾との絆についてお伝えさせて下さいませ。

台湾では、震災の日からわずか一週間後の三月十七日にチャリティーコンサートが開かれ、その翌日十八日にはチャリティーテレビ番組が生中継され、総勢四〇〇人もの芸能人が出演し、募金を呼びかけてくださいました。この番組は台湾の芸能界の力が総結集し、地上波及びケーブルテレビ放送局一四局が垣根を越えて主催するという異例の開催でした。コンビニエンスストアを窓口にした募金活動も始まります。例えば、台湾のセブン-イレブンを通じて寄せられた寄付金は、三億円強にものぼりました。台湾から送られた義捐金は約二五〇億円。そのほとんどが一般の方々からの個人寄付です。「一日分の食費程度の寄付ですが、私と同じ想いの台湾人が集まればきっと大きなお金になる。そうなれば嬉しい」。コンビニエンスストアで寄付をなさって下さった人のお言葉です。

李さんが義捐金活動を行っていた時のこと、ある田舎町ではご高齢のかたが多く、人によっては足腰が弱くていらっしゃるのにわざわざ出て来てくださり、活動の経緯をお聞き下さいました。話を聞き終え、「ちょっと待ってね」と、家の中に入ると、しばらくして飲み物や食べ物を手渡して「ご苦労さん」と労い、さらに、お金の入った封筒を渡そうとされるので、確認をすると「これは来月の食費だ」とか、「新しい洗濯機を買う予定の大切なお金だ」とおっしゃいます。そのお金を渡すと、あとで人から借りることになると聞いて、断わろうとすると叱られたそうです。「いいのだ、私はこれまで人に迷惑はかけてこなかったから、こういう時に多少恥ずかしい思いをしても構わない」と。

(次号に続く)

(7/23/2026)


筆者・森 日和

禮のこと教室 主宰 礼法講師
京都女子大学短期大学部卒業後、旅行会社他にてCEO秘書を務めながら、小笠原流礼法宗家本部関西支部に入門。小笠原総領家三十二世直門 源慎斎山本菱知氏に師事し、師範を取得する。2009年より秘書経験をいかし、マナー講師として活動を開始する。
2022年より、廃棄処分から着物を救う為、着物をアップサイクルし、サーキュラーエコノミー事業(資源活用)・外国への和文化発信にも取り組む。
https://www.iyanokoto.com

 

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