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『2020東京オリンピック、パラリンピック』は、この一年間何ひとつ明るい話題がなかった。新型コロナ騒動での開催延期、組織委員会森喜朗会長の失言問題での辞任、開会式総合演出佐々木さんの不適切発言での辞任、更に海外からの観戦者入国の断念など、逆風が吹きまくっている。ネットのアンケート調査でも、こんな状況ではオリンピックなんか出来る訳がないと60パーセントが中止を訴えていた。
しかしなのだ、競泳の日本選手権女子100メートルバタフライの決勝で、白血病から競技に復活した池江選手が57秒77で優勝し、東京オリンピックのメドレーリレーの派遣標準記録を突破し、代表に内定した瞬間、風が吹いた!日本中誰もが予想もしなかった見事な復活劇だった。池江選手は、レース後のインタビューで「辛くても、しんどくても、努力は必ず報われると感じた。」と泣きながら答えた。20歳の「努力は必ず報われる!」の言葉がこんなに新鮮に感じるとは!
「今の時代努力しても結局は同じだよ、青春ドラマの中だけだよ。」という空気が世の中の大半を占めていた。池江選手優勝の夜、繫華街では若者たちが涙ながらに「俺も頑張らないと」「私も頑張る」そんな声が日本中で起きた!若者だけではない、お父さんもお母さん皆テレビの前で泣いている!こんな感情を日本中が感じたのはいつ以来だろうか!
あの日から東京オリンピック開催反対の声はほとんど聞こえない。そう、誰もが池江選手の泳ぐ姿をオリンピックプールで見たいのだ!どうだろう、いつまでも世の中に文句を言っていても始まらない。開催までの3か月、スクラム組んでオリンピックを応援したいね!
風が吹いてきた!いい予感がする!この風に乗り遅れないようにしよう。
ところで閉会式なんだけど、『聖火』って消さないといけないのかな?私ず~っと考えていました。『聖火』をアテネに返しに行ったらどうだろう。オリンピックで活躍した各国のメダリスト達がイギリス、フランス経由でアテネに向かう。各国も理解を示してくれるに違いない。これが成功して恒例化すれば、オリンピックの歴史にも残るはず。日本には『送り火』という報恩感謝の慣習がある。あの堅物のIOCバッハ会長も理解を示してくれそうだ。その聖火ランナーに池江選手がいたならばどんなに素晴らしいことだろう。ヨーロッパ各国で大歓迎を受ける姿が目に浮ぶ。世界中の大病に苦しむ人々にも勇気を与えることが出来るに違いない。
今からでも遅くないから俺に演出やらせてくれないかな~!
■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。
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