マイブームは忍者なのだ

 先日、本屋さんに行ったら最高に面白い本を見つけた! 『なるほど忍者大図鑑』(絵・文ヒサクニヒコ・国土社)だ。基本的には図鑑なのだが、タイムスリップさせられるほどワクワクする。

 

 

「忍者」の事はテレビや漫画、映画で黒い忍びの装束を着て刀や手裏剣を操り、お城に侵入したり敵を尾行したりと、皆さんもなんとなくの知識はあると思うのですが、なかなか実態はつかめない。それもそのはず、歴史上ほとんど記録が残っていないんです。そもそも隠密行動なので当然かもしれないが、この本は実に分かり易く紹介されてる。著者の研究努力が凄い!

忍者はいつから?平安時代、武士が刀を持ち始めた頃からその存在も始まったが、映画、テレビで見るような本格的な活躍は、恐らく戦国時代になってからのようだ。

私の好きな忍者の振る舞いは何と言っても敵のお城に忍び込む時だ。今の時代と違って電気が無いので夜は暗い。忍び装束は黒が定番。テレビもラジオもないので屋敷内は静寂・・・。新しい装束だと音がするので使い古した物を着用し、雨戸を開ける際には水を流して音を消す。濡れ手ぬぐいをはりつけながら塀を越え、時には小型ノコギリで格子戸を切る。また、敵を混乱させるためにコショウを撒いたり、廊下に撒菱(まきびし)を撒いて逃げ道を事前に確保し追手の追撃を防ぐこともある。

では忍者は普段何をしているのか。大方は畑仕事、露天商人、薬の行商人、わら職人、芸人などとして普通の仕事をしている。中でも屋根職人のお城や寺など大きな建物で使用する鬼瓦の仕事は、敵の屋敷の全体の構造を上から見ることが出来るので忍者の貴重な情報源になったのだ!

忍者は天候も読んだ。天気予報番組がある訳ない。ではどうしたか。例えば、トンビの飛び方で明日は晴れると予想する。髪の毛を弓矢状に伸ばして、乾燥すると縮み湿ると伸びるため空模様を予測した。今の時代と違い舗装された道が無く雨上がりは足跡が付きやすいため行動はなるべく控えた。木の葉を細かくちぎり風の方向と強さを知る。更に風向きを計算して敵陣を攻める!もちろん火の使い方も万全だ。火打石は常に携帯、それでたいまつを焚き照明器具にした。

そうなんです、この本を読んでいると忍者になってみたい気分になってくる!これって現代社会でも何か通用しそう。アウトドアブームなので、ホームセンターに忍者コーナー作ってくれないかな!「親子で水とんの術」「音を立てずに爪先で歩く術」「分身の術」「敵地で声を出さずに連絡を取り合う手話」もやってみたい!

なんかこの夏「忍者ブーム」の予感がするのだ!

 

 

■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。