若大将!加山雄三は海に戻ってくる

加山雄三さんが年内いっぱいで歌手活動をやめることを発表した。9月9日の東京国際フォーラムでコンサートを開催し、12月の大型客船「飛鳥Ⅱ」での船上ライブが最後となる。加山さんは「まだ歌えるうちにやめたい。これからも音楽は親友であり大切にしていきたい。」とコメントしている。

私にとって加山雄三さんは本当に特別な存在だった。特に東宝映画『若大将シリーズ』の田沼雄一にどれだけ人生に影響を受けたことか。高校時代ヨット部に入った時も、若大将みたいにモテたいと思って必死になってギターを覚えたのも(全然モテなかったが)、実家の仕事も手伝わないで親に怒られながら毎年冬になるとスキー場に行ったのも、映画の中の京南大学に入学したいと本気で思ったのも、大人になって湘南に家を持ったのも、全て加山雄三さんの影響なんです!

 

左の写真は、昔の2ショット。

 

そんな彼が引退するのは寂しい反面、実はホットしている自分がいる。これでやっと加山さんを「海に返す」ことができる気がするのだ。いつまでもコンサートホールで観客のノスタルジーと青春の思い出のためにタキシード姿で歌う事はもういいのではないか!ファンは長い間いつも彼に甘え頼っていた。加山さんはありがたい事にこれからも音楽と生きると言っている。大好きな湘南に戻って、誰もいない朝の海や夕暮れの船の上で思う存分Tシャツ1枚で海に向かって歌って欲しいのだ。

名曲『夜空の星』を作曲したのは16歳の時だった。茅ケ崎の実家で自ら設計した舟の制作に励んでいた頃なのか。33歳の時には、最愛の母親女優小桜洋子さんを52歳の若さで亡くした寂しさから光進丸から暫く出てこなかったと聞く。加山雄三にはいつでも湘南の海と船が必要なのだ。

「これからの若大将」は、コンサートホールで歌うより海風の中で歌っているほうが絶対にかっこいい!そうなると当然気分が軽くなり、新曲がバンバン生まれるのも容易に想像できる。1968年のヒット曲『ある日渚に』のような、岩谷時子の作詞ではなく自ら作詞作曲した名曲の誕生も期待できる。出来たら新曲を聴いてみたい!許されるなら、船の上やヨットハーバーで一人歌っている姿を遠くからそっと望遠カメラで見たい!・・・あれ!また加山さんに甘えている、これはまずい。

若大将が引退宣言しても寂しくない。これからが本当の「田沼雄一」の出番です!来年は湘南に出没する気がする。私、加山さんが姿を見せるという逗子マリーナに行って情報を掴んできます!報告しますね。

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■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。

 

 

 

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