次の研究テーマは「高齢者男性の乙女化」

 私やっと慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科を修了しました。本来大学院は2年で修了だが、コロナ感染流行期間2年の休学もあって4年掛かってしまった。この間、何度やめようかと思ったことか。

 大学の一般教養を学ぶというより、大学院は各自が研究テーマを選択して先行研究を学びながら、自ら考査分析して研究を深掘りする事が比重を占めている。しかし入学当時はテーマが定まらず「人間は焚火などの火を見るとなぜ落ち着くのか」「高齢男性の乙女化現象」「日本人は安楽死を受け入れるのか」など二転三転してしまった。特に安楽死研究は、数多くの世界中の研究者が素晴らしい論文を発表しているため、今更私が手を出しても正直劇的な論文を制作する自信は無かった。迷走期間が2年半続き「このまま大学院に居てもしんどい、やめる選択肢もあるのか。」が頭をよぎってしまった。

 そんな時、慶應義塾大学で教壇に立ち、ワイドナショーのコメンテーターでもお馴染みの若新雄純さんと話す機会があった。開口一番「テリーさん、大学院は誰でも入れます。出るのが大変!絶対にやり遂げて!」の咤激励!

 この言葉に目が覚めた。「俺って何て甘えていたんだ。社会に出てからもう一度勉強し直したいと思っている方は沢山いらっしゃる、しかし仕事や家庭の事情で簡単に出来ない場合もある。経済的にも大変な負担だ。幸いにも私はそれが許される環境にあるのに、ここで放り出したら甘ったれの笑いモノだ!」気合を入れ直し、心の迷いが去った時、新たなる研究テーマ「ラジオ通販、高齢者は商品を見ずになぜ購入するのか」が閃き、修士論文作成に向け動き出した。

 大学院修了の達成感と共に少しの虚無感がある今、新たな研究を目指してみよう考えている。先に頓挫した「高齢者男性の乙女化現象」をテーマに研究を続けようかと。「乙女化」と言われてもピンと来ない方もいるかもしれない。私自身が高齢になって感じるのだが「名も無い花が愛おしく、揺れる花々に切なさを覚える。美しい月や沈む夕日を時を忘れて見つめ、引き潮に想いを馳せる…」そうなんです、若い頃には無かった感性や感情が芽生えてきたんです。

 「単に、歳とって涙もろくなっただけじゃないの?」と他人は思うかもしれないが、そうじゃありません。これこそ芽吹いた「乙女化」なのです!

 

中原淳一氏の作品

 

 自分の中の「乙女心」を認知することで、俳句や短歌を女言葉で作ることが出来る。カラフルな色彩の洋服も似合ってくる。音楽や映画や絵画の選択肢も広がる。嬉しいことです。唐突な提案ですが皆さんも自分のなかにある「乙女」を探してみては!

 

 

 

■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。

 

 

 

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