Vol.1 クラフトビールって何?
皆さん、クラフトビールは好きですか?最近日本でも大ブームを迎えてますが、「クラフトビールって何?」って聞かれたらなんと答えますか?
学生時代はたったのビール2缶でゲロッパだった僕も、今ではすっかりクラフトビール中毒になってしまった被害者の一人だ。当時の自分がクラフトビール探検家として普及活動をしている今の姿を見たら、唖然とするだろう。開いた口が臭いはずだ。
クラフトビールは簡単に言うと大手以外のビール。日本では”その言葉”が乱用されているが、正しい定義は「小規模のブルワー(醸造者)が造るビール」である。
あまり知られていないが、実はクラフトビール発祥の地はここアメリカなのだ。その中でもズバ抜けてマイクロ・ブリュワリー(小規模の醸造所)が多い州は、カリフォルニア。だから僕にとって”カリフォルニアでクラフトビールを飲まない”という事は、”インドでカレーを食べない”ようなものだ。
我輩は下戸である。お酒をあまり飲めなかった20代前半、ビールはただのカッコつけのために飲んでいた。このコラムでは、そんな下戸が素晴らしきクラフトビールの世界に魅了され、痛風になってしまった男の喜劇と共にお伝えしていきたい。
僕とクラフトビールの最初の出逢いは、渡米して間もない2013年のアル日。アメリカ人の友人が「ブリュワリーでクラフトビールでも飲まない?」という言葉がきっかけだった。当時の僕にはブリュワリー(醸造所)もクラフトビールさえも何の事だかさっぱり分からなかった。渡米したての”NO”と言えないジャパニーズ”は、すかさずYESと言い返し彼に付いていった。そしてブリュワリーに一歩足を踏み入れた瞬間、頭の中に突風が吹き付け脳内が空っぽになった。「な、ナンだこの空間は?」
その時の猛烈なカルチャーショックは、今でも鮮明に覚えている。こんな所に何があるんだ、と思わせる人けのない倉庫街の一角。外見はただの倉庫。ブリュワリーに入ると、スターウォーズに出てくるR2-D2みたいな巨大タンク達が聳え立っている。
人生で初めて訪れたのは、ロサンゼルスのトーランスにあるStrand Brewing Co.というブリュワリー。中では若い男女からお年寄りまで、真昼間からビールグラスを持って仲間たちと楽しそうにゲラゲラ笑っている。よーく見渡すと、抱っこ紐で赤ちゃんを抱えながらビールを楽しむ親や、犬を連れて散歩がてらビールを飲みにきている人もいる。「な、なんだチミは?」「Why American People!?」一瞬にして頭の中がたくさんの?で満たされた。
そんな衝撃的な出逢いから僕はすっかりクラフトビールに魅せられてしまった。厳密に言うと、ブリュワリー飲みにハマってしまったと言った方が正しい。もちろん普段スーパーで買ったクラフトビールを自宅で飲むのだが、やはりブリュワリーでビアタンクを見ながら飲むのは格別だ!
クラフトビールの世界は美しい。僕はこの連載を通して今まで貯めてきた尿酸値を有益な情報に変えて、皆さんに伝えていこう思います。あなたもクラフトビール中毒になってしまう恐れがありますので、これからは自己責任で読んで下さい。それでは、酔い一日を。乾杯っ!
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とも蔵 TOMOZO クラフトビール探検家
LAを拠点に著書やSNSなどでクラフトビールについて日々配信する、とも蔵さん。本業はグラフィックデザイナーで写真家。「クラフトビールはアート。ブリュワーさん一人ひとりがアーティストであり、彼らの世界観が描き出されているんです」
とも蔵さんのコンテンツ: https://linktr.ee/tomozobeer/
▶︎らららインタビュー記事 「ロサンゼルスで暮らす人々:とも蔵」を読む
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