
こんにちは!私は現在、ロサンゼルスのトーランスエリアとオンラインで子供向けの日本語と英語の語学スクールTLC for Kids LA校を運営しています。広島大学の学校教育学部を卒業後、小学校教諭として公立学校の教育現場に勤めていたり、教育委員会の施設で不登校児童のメンタルケアや学習サポートを行ったりしていた経験もあります。現在アメリカでは1歳半~15歳の生徒さんや保護者の方と日々接しながら、のべ10年以上にわたる教育現場経験や2000人以上のお子さんと関わってきております。このコラムではご家庭でのバイリンガル育児のヒントや英語/日本語教育についてお届けしていきます。アメリカで子育てしている方々が、日々の子育てにおいて「これならできそう、ちょっとやってみよう」というアクションにつながればいいなと願っています。
VOL.16 夏休みをチャンスに変える!
学力・英語力・自信を育てる過ごし方
■サマースライドを防ごう
アメリカの夏休みは2ヶ月以上と長く、勉強から離れることで「サマースライド」と呼ばれる学力低下が起こります。これを防ぐには、夏休み中も毎日20~30分程度、英語の本を読むことが効果的です。大切なのは、英語から完全に離れないことです。
■日本への里帰りは計画的に
夏に日本へ帰省する家庭も多いですが、毎日遊んでばかりだと帰国後の生活や学習に支障が出ることも。理想は、新学年の1ヶ月前にはアメリカに戻り、早寝早起きと午前中の学習で生活リズムを整えること。オンライン学習やサマープログラムに参加するのも有効です。
■新学年への備えとして
新学年のスタート時には先生やクラスメートが変わるなど、子どもを取り巻く環境が大きく変化します。英語力に自信がないと、不安やストレスで適応が難しくなることも。夏休み中に少しずつ英語環境に戻す準備をしておくことが、スムーズな学校生活への第一歩です。
■サマープログラムの魅力
アメリカには多様なサマープログラムがあります。スポーツ、芸術、キャンプ、国際交流など内容も豊富で、子どもの興味に合わせて選ぶことができます。普段とは違う仲間や環境で過ごすことで、英語力だけでなく、精神的にも大きく成長できます。
■プログラム選びのポイント
サマープログラムを選ぶ際は、「友達が行くから」ではなく、子ども自身の興味や特性に合ったものを選ぶことが大切です。得意なことを伸ばす経験は、自己肯定感ややる気を高めるきっかけになります。たとえば、本気でサッカーに取り組んでいる子にはプロチーム主催のサッカーキャンプが最適です。
■保護者の役割と情報収集
プログラム選びは保護者の責任です。内容や安全性、指導者の質、参加者の雰囲気などをしっかり確認しましょう。合わない環境では子どもが不安を感じ、せっかくの機会が無駄になってしまうこともあります。
■夏休みは13回しかない
キンダーから高校卒業まで、夏休みはたったの13回。数十日というこの貴重な期間をどう過ごすかは、子どもの将来に大きな影響を与えます。新しい挑戦や出会いを通して、自立心や自信を育むためにも、アメリカのサマープログラムを上手に活用しましょう。
TLC for Kidsでも、旧学年の総復習や新学年の準備となるようなアカデミックなサマープログラムを開催しています。興味のある方はお問合せください。
今号をもって本コラムは連載最終回となります。これまでのコラムはオンラインのアーカイブ記事で見ることが可能です。お子さんのバイリンガル子育ての一助になれば幸いです。貴重な子育ての機会を引き続き楽しんでいきましょうね。


