家庭でできる年齢別 バイリンガル育児の実践例|バイリンガル教育のノウハウ・竹井カヨコの子育てコラム

こんにちは!私は現在、ロサンゼルスのトーランスエリアとオンラインで子供向けの日本語と英語の語学スクールTLC for Kids LA校を運営しています。広島大学の学校教育学部を卒業後、小学校教諭として公立学校の教育現場に勤めていたり、教育委員会の施設で不登校児童のメンタルケアや学習サポートを行ったりしていた経験もあります。現在アメリカでは1歳半~15歳の生徒さんや保護者の方と日々接しながら、のべ10年以上にわたる教育現場経験や2000人以上のお子さんと関わってきております。このコラムではご家庭でのバイリンガル育児のヒントや英語/日本語教育についてお届けしていきます。アメリカで子育てしている方々が、日々の子育てにおいて「これならできそう、ちょっとやってみよう」というアクションにつながればいいなと願っています。

VOL.15 家庭でできる年齢別
バイリンガル育児の実践例

■バイリンガルの定義
 アメリカで子育てをするご家庭の方からよく聞かれることの一つに「子供はどのような段階を踏んで英語を習得できるようになるの?」という相談があります。今日は子供が英語を習得する過程を年齢別に応じてご紹介すると共に、家庭でできる実践例も合わせてご紹介していきたいと思います。まず、第一にバイリンガルとは、「二カ国語で読み書きができる人」と定義しています。この能力には、単に「話す・聞く」だけでなく“英語で思考し、英語でアウトプットすることのできる力”という意味があります。

■育児の初期段階:フォネミックアウェアネス
 妊娠期から乳児期(0〜3歳)にかけては、フォネミックアウェアネスを育てることが重要です。フォネミックアウェアネスとは、「英語に含まれる個々の音(音素)を識別し、操作する能力」を意味します。英語の音声教材を小さな音でかけ流すことで、英語の持つ独特のリズムやイントネーションなどの聞く力を育てます。

■幼児期の取り組み: フォニックスの導入
 幼児期(3~6歳)には、日本語に加えて英語の教育を本格的に始めます。フォニックスを通じて子供たちは音と文字の関係を学びます。フォニックスとは、アルファベットとレターサウンド(文字の読み方)を教えることで、「a, a, a, ant」(ア、ア、ア、アント)のような基本的なアルファベットや単語の音(発音)を習得することが可能です。

■文字を通じての学習深化: サイトワーズとリーディングフルエンシー
 4~5歳以降では、サイトワーズを導入し、英語の頻出単語を「視覚」で覚える練習を行います。サイトワーズとは、規則性のない発音の単語を集めたもので、子供たちが読み書きのスピードを上げる手助けとなります。また、リーディングフルエンシー(英文をスラスラ読める状態)を強化し、様々なジャンルの本を「読める」ようにすることに注力します。良質な口語表現のインプットやアウトプットとともに、子供たちは自力で英語レベルを上げていくことが可能になります。

■読書量を増やして語彙力を強化:多読の推進
 児童期以降、フォニックスとサイトワーズをマスターした後は、多読を奨励します。子供たちは自由に本を選び、読む量を増やすことで、ボキャブラリーを自然と増やしていくことができます。英語のノンフィクションやサイエンスなどの本も手に取りやすくなります。図書館で本を借りる、または家庭内で本の表紙が見えるように本棚に置くことが、子供たちの読書環境を支えます。

 バイリンガル育児は各成長段階に応じて、適切な教育方法を選択し、子供たちが自然と言語能力を高められるよう助けることが重要です。細かいサポートや個々の発達段階に応じたカリキュラムの選定、サポートが気になる方はTLC for Kidsにお任せください。

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