日本を代表する日本酒『越乃寒梅』が、7月26日にアイオワで開催されたアメリカ最大のカーレースNASCAR K&N PRO SERIESのレースに、メインスポンサーとして初お目見えを果たした。
NASCARは1周約0.8~3kmまでのさまざまなコースを約200周以上走るレースで、狭いコースを時速300km近い高速で2~3時間走るため、クラッシュも多く非常に危険で過酷なレースとして有名だ。
『越乃寒梅』の大きなロゴをボンネット上に掲げたレーシングカーでレースを走行したのは、NASCARシリーズ戦に唯一フル参戦している現役日本人ドライバー、古賀琢麻だ。
2018年はNASCARプロシリーズへフル参戦し、NASCAR史上アジア人最高位のシリーズランキング9位を獲得。今季はシボレーからトヨタワークスへと移籍し、過去に何度もシリーズチャンピオンを獲得している『PP1M』で参戦する。
古賀が『越乃寒梅』を造る石本酒造(新潟県)の石本龍則社長と既知の仲であることから、今回の『越乃寒梅』のNASCAR初登場が実現した。
実は、石本社長は大のアメ車ファン。子どものころから米国のアニメや車などのサブカルチャーが好きで、ドラッグレースやNASCARを観ながら育ったという。
年齢を重ねるにつれて、計算され尽くした米国のサブカルにどっぷりとハマり、伝統を守りながらも新しい技術が加えられていく車のエンジンに魅せられていった。
古賀と石本社長の出会いは1年前。Facebookで知り合い、その後、新潟で初対面し車の話で大いに盛り上がった。
『越乃寒梅』のロゴマークは、2019年の第1戦から古賀のレースマシンのサイド部分に付けられており、先月のアイオワでのレースで、初めて最も目立つボンネット部分にメインスポンサーとして登場した。
古賀は「日本のメーカーの漢字のロゴを付けた車がNASCARで走るのは史上初めてのこと」と喜びを隠せないようすだった。
このレースで、念願のNASCAR生観戦がかなった石本社長は「音がすごいし迫力に圧倒された。アバウトな中にも見え隠れする繊細さ、会場全体のエンターテインメントぶりに感激した。今後も古賀選手を応援していきたい」と興奮気味に話していた。
『越乃寒梅』は現在、海外展開にも力を入れており、20年前から北米に輸出をしている。
アメリカで奮闘する古賀の姿が、日本酒を世界に伝えようとする自社の取り組みと共感する部分が多かったため、協賛を決めた。
■写真上:『越乃寒梅』にてお清めをし、レーシングカーの無事を祈願
■写真下:ボンネットおよびサイド部分に『越乃寒梅』のロゴがあしらわれたレーシングマシンを古賀が走らせる