【ロサンゼルスで暮らす人々】データサイエンスの力で、 医療の未来を照らす

シェアする

広告

LA暮らし

.

津川友介
Yusuke Tsugawa


UCLA 医学部・公衆衛生大学院准教授

.

■UCLA医学部准教授の津川友介さん

「データはときに厳しい現実を突きつけます。けれども事実から目をそらさず、社会のためにそれらを生かしていくことが必要です」UCLA医学部・公衆衛生大学院で准教授を担う津川友介さんは、医療の質は医師の性別や働き方によって差が生まれることや、その差は患者の生存率にも影響する可能性があることなどを論文で発表し、注目されてきた。また『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(東洋経済新報社2018年)という本で彼の名を記憶している人もいるだろう。どんな半生を送り、今に至るのか話を伺ってきた。

 高校時代「何か手に職をつけて社会の役にたつ仕事がしたい」と考え、弁護士を志すように。しかし高校の時、将来の職業を弁護士から医師に転じた。「人を助けられる仕事をしたいと考えた時、医師のほうがぴったりきました。医学部に進みたいと話した時、両親を含む周りが非常に驚いたのを覚えています」

 東北大学医学部に進学し、卒業後は東京都中央区にある聖路加国際病院で内科医として勤務した。寝る暇もなく働き、6週間ICUに缶詰だったこともある。寝る間もなく忙しく働いている医師や看護師を見て「何かがおかしい。これは医療システムのせいなのではないか」と日本の医療制度そのものに改善の余地を強く感じるようになったことが、その後研究者の道へと繋がっていく。当時の院長の福井次矢医師に相談したところ「医療制度を研究するにはアメリカに行くといい」とアドバイスを受け、2010年ボストンに渡米。

 ハーバード大学で公衆衛生の修士号、医療政策学の博士号を取得した。同校で、著名な経済学者であるジョセフ・ニューハウス氏に師事し、高度な統計学的な手法を習得した。その後、世界銀行グループ保健医療専門官を経て、2017年からUCLA医学部内科助教授、2021年から同大学の准教授を務めている。「人生は綱渡りです。岐路のたび、何とか進んできました。医療の質と公平性は保たれていません。データはその不平等を明らかにし、変える力を持っています。今後も今まで知られていなかった新しい知見を発見していき、社会の役に立つ研究をやっていきたいと思います」

■著書『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』は10万部ベストセラーに。
■「女性医師と男性医師の治療成績比較論文」(2016年発表)は2017年Altmetricで「世界で影響を与えた科学論文」第3位に選出された。

(12/10/2025)

.

.

.

.

記事をシェアする

ランキング

よく読まれています

  1. 南カリフォルニアで記録的な高潮 約100年の観測史上最高を更新、住宅や店舗が浸水(10/27)
  2. ホーソンで女性死亡、子どもが重体 LA郡保安局が捜査(10/30)
  3. 投資でグリーンカード取得、申請費が大幅値上げへ EB-5で11月30日から新料金(10/30)
  4. 大谷選手、愛犬デコピンの“お風呂ショット”公開 オフの癒やしの一幕が話題に!(10/30)
  5. 共和党が中間選挙で勝ったら、日本人のビザはどうなる? E-2・H-1B・L-1・F-1・グリーンカードから見る影響(11/2)
ランキング一覧はこちら >

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。