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山下倫史
Michifumi Yamashita, MD, PhD
Cedars-Sinai Medical Center 腎臓病理医
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「アメリカの病理医の数は多く、細分化が非常に進んでいる。一方、日本では病理医の数が少なく、一人の病理医が全ての領域をカバーする必要がありますが、腎臓病理の分野は特殊で難しい領域です。TwitterやYouTube、”Pathportどこでも病理ラボ”、それらは全部僕の知識を日本に還元するためにおこなっています」
※”PathPortどこでも病理ラボ”とは、クラウド上の仮想病理診断室。テクノロジーの活用と病理医の相互互換によって、世界中どこにいても国際標準の病理診断を実現することを目指している。
Twitter: れなるみっち@腎病理塾 @RrenalPath101
YouTube: 腎病理塾 https://bit.ly/2MqMgPG
「昔、大学で腎臓の授業を受けたとき、わけがわからなかった。だから惹かれたんだと思います」そう語るのは、Cedars-Sinaiで腎臓専門の病理医として働く山下倫史さん。腎臓病理医とは、光学顕微鏡や蛍光顕微鏡、電子顕微鏡を用いて腎臓病の病理診断をおこなう専門職のことで「Doctor’s doctor」と呼ばれている。
山下さんは7割を研究にあて、残り3割で臨床を行っている。臨床といっても、直接患者を診るわけではない。病理医の臨床とは、主治医から送られてきた患者の1cmほどの小さな腎組織を顕微鏡で診て、「原因が何か」を調べ、診断することをいう。「例えば慢性腎不全と呼ばれる病気がありますよね。これは原因が何であれ、腎臓が悪くなった状態をいいます。なぜ悪くなったのか、それを調べるのが僕の仕事です」
1症例を診るのに実に3時間。その後3〜4ページの報告書を書くのだそうだ。山下さんの出した診断をもとに、主治医は治療を含めて今後の方針を決めていく。臨床のときは、朝8時に来て夕方まで顕微鏡に向かって1日に4~5例診て、子供を迎えに行ってごはんを食べさせ、再び病院に戻って続きをやるのだそうだ。

看護師の妻と娘と。「最近は3人でテニスをして汗をかいています。娘の補習校の父母の会に関わるようになってそこで気付いたことが、仕事への気付きにもつながっていきました」
鹿児島で生まれ育った山下さんは、京都大学で宇宙物理を学びたいと考え、京都で1年浪人した。しかし前期で落ちてしまった。後期にたまたま出願した鹿児島大学医学部の合格がわかったとき、父親は殊のほか喜んだ。受かってから行くかどうかを考えた山下さんだが、縁を感じ、医学部に進み、導かれるように医師になった。「親族のなかで医者になったのは僕が初めてでした」封建的な鹿児島を出てみたいという思いがあったので、卒業後は東京の虎の門病院で内科の研修医になった。「病院に住んでいた」3年が過ぎた後「臨床は充分やったので次は研究がしたい」と考え、今度は順天堂大学大学院に進み、博士号を取得。やると決めたら進む人なのだ。
「時間をもっと有効に使いたい。大学では居心地が良すぎて自分の脳細胞が死んでいく音が聞こえました。僕はもっと挑戦したいと思ったんです」飽くなき探究心をもつ山下さんは日本を出て、妻と一緒にオハイオ州のクリーブランドに渡り、Case Western Reserve Universityで博士研究員となった。その後、アメリカの医師国家試験をパスし、病理の研修医、病理認定医取得、その後、ボストンのBrigham and Women’s Hospitalで腎臓病理医の専門教育を受けて現職に至る。

山下さんの臨床オフィス。「僕は仕事もプライベートも境界がありません。全部がつながっているからです」
「わからないことをやりたい」と話す山下さんはずっと腎臓に興味を持ち続けている。自分が得てきた膨大な知識を、TwitterやYouTubeを通して日本の医療界に還元することにも積極的だ。「犠牲を払うのではなく、自分の持っていることを還元して世界が幸福になっていくのが僕の理想です」そう語る彼の目は非常に澄んでいて、こちらの心が洗われるようだった。
(10/25/2022)
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