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塚田智也
Tomoya Tsukada
Manga Lounge 創業者/CEO
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「来年2月頃にモントレーパークにManga Loungeをオープンします。いわゆる漫画喫茶ですが、全米には僕が知る限り2店舗しか存在しません。前職がBOOKOFF USAでして、米国における漫画という存在に大きな可能性を感じました。ビジネスを通し、米国の地域社会に貢献できることにワクワクしています」塚田智也さんはManga Loungeをこの地に創業する若きCEOで、弱冠26歳。彼はどんな半生を辿ってきたのか。話を伺った。
1999年東京出身。港区に生まれ、2歳から公文に通った。経営者の父と、躾に厳しい母のもとに育ち、3つ下に弟がいる。小学校時代からよく勉強ができた。「当時は競争が好きでした」と語る少年は最難関の開成中学校に合格。バスケ部に所属した。「スラムダンク世代ではないですがもちろん読みました。好きなのは桜木花道です」
けれども入学後、一転して勉強への意欲は失い、成績は落ちていった。高校2年の冬にバスケ部引退後は、高3の運動会に向けて猪突猛進。開成中学・高校は生徒による自主的な運営で運動会が行われることで有名。塚田さんは青組に所属し、中1を束ねるリーダーとして活躍。高3の5月の運動会後は全てを切り替えて受験へ。塚田さんもその波に乗り、1日14時間の勉強により現役で東京大学文学部に合格した。
大学では宗教史学を学んだ。というのも、高校時代に読んだ本『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ作)に大きな影響を受けたからだ。それまで宗教は一部の人が信じるだけのものだと思っていたが、この本で宗教こそが人類の協力や文明の発展に不可欠な役割を果たしてきたと知り、衝撃を受けた。そして日本人が感じる苦しみの背景には宗教の不在があるのではないかと考えるようになり、その答えを知りたくて宗教について深く学んだ。
卒業後は米国へ行こうと決めていた。アルバイト先の上司が語った「外の世界を見たかったら西海岸がいいよ。あそこでは大きな企業が生まれている。文化、食べ物、そして自由があるからだ」という言葉が胸に留まったからだ。大学卒業直後の2023年4月、UCI Extension Programに3ヶ月間、その後UCLAExtension Programに9ヶ月間通った。卒業後BOOKOFF社長との出会いがあり、OPTの間BOOKOFFUSAで働き、幸運なことに新店舗の立ち上げに関わることができた。オープン当日「この店coolだね」と多くの人が声をかけてくれたのが印象的だった。日本では当たり前のことでも米国では新しい価値として受け入れられる。その喜びを目の当たりにした。2024年8月頃「LAで漫画喫茶をオープンしよう」とアイデアを思いついた。モントレーパークに来年2月に開店するManga Loungeは新しい体験ができる空間になるだろう。「今は開店準備で大忙しです。ぜひ来て下さい」

Instagram: @tomo.mangalounge

(12/3/2025)
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