信頼できる情報で安心を山火事への備え

筆者・志村 朋哉

南カリフォルニアを拠点に活動する日米バイリンガルジャーナリスト。オレンジ・カウンティ・レジスターなど、米地方紙に10年間勤務し、政治・経済からスポーツまで幅広く取材。大谷翔平のメジャー移籍後は、米メディアで唯一の大谷番記者を務めた。現在はフリーとして、日本メディアへの寄稿やテレビ出演を行い、深い分析とわかりやすい解説でアメリカの実情を日本に伝える。

通信014
信頼できる情報で安心を山火事への備え

ロサンゼルス郡で大規模な山火事が発生してから約3週間が経ちました。読者の中にも被害を受けた方がいらっしゃるかもしれません。被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

週末には待望の雨が降りましたが、専門家によれば、山火事の不安が解消されるには十分な量ではないとのことです。

「近年、山火事は特定の季節だけでなく、年間を通じて発生する傾向が強まっています」と、ロサンゼルス市消防局のエリック・スコット広報担当官は『ウォール・ストリート・ジャーナル』に語っています。

こうした危機的な状況下では、正確な情報が何よりも重要です。しかし残念ながら、ソーシャルメディアやYouTubeなどでは、専門家でない人々が不安や怒りを煽るような情報を拡散するケースが見られます。たとえば「ハリウッドサインが燃えている」という偽の写真が出回りました。親切心から意図せず誤情報を広げてしまう人もいます。

こういう時こそ、信頼できる情報源から正確な情報を得て、冷静に行動することが大切です。今回は、山火事に関する正しい情報を得るために役立つ情報源をご紹介します。英語が苦手な方も、ChatGPTなどの翻訳ツールを活用してみてください。

Emergency alert system
まずは、ロサンゼルス郡のAlertLA Countyやオレンジ郡のAlertOCなど、地元政府が提供する緊急通知サービスに登録しましょう。災害時には携帯電話やメールでリアルタイムの情報を受け取ることができます。

CAL FIRE
カリフォルニア州消防局のウェブサイトでは、最新の火災情報、防火対策、被災者支援に関する情報を確認できます。URL: fire.ca.gov

州の被災者支援サイト
州政府が災害救援申請や保険請求、重要書類の再発行、安全な帰宅方法などに関する情報をまとめたウェブサイトを公開しています。さらに、UCLAリサーチパークウェストとパサデナに設置された「Disaster Recovery Center」の待ち時間も確認可能です。
URL: ca.gov/lafires

Watch Duty
現役や退職した消防士、報道関係者などのボランティアが運営する非営利団体。消防無線や政府機関からの情報を集め、アプリやウェブサイトで無料で提供しています。リアルタイムで火災や避難情報をチェックできます。
URL: app.watchduty.org

Los Angeles Times
地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』では、山火事関連の記事を無料で公開しています。「L.A. wildfire resource guide」には、火災の最新情報に加え、停電対策や避難中の生活費の支払いに関する実用的なアドバイスも掲載されています。URL: latimes.com

LAist
南カリフォルニアの公共ラジオ局が運営するニュースサイト。『ロサンゼルス・タイムズ』と同様、無料で記事を閲覧でき、読者からの質問にも対応しています。URL: laist.com

『ロサンゼルス・タイムズ』や『LAist』などの報道機関は、専門家への取材をもとに、市民の疑問を分かりやすくまとめています。そのため、政府機関の公式情報よりも理解しやすく、活用しやすいのが特長です。信頼できる情報をもとに、できる限りの備えを整えていきましょう。

(1/30/2025)

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