見た目だけじゃない 家事動線にもこだわった 個性的な色使いのカラフルハウス |Calマガジン-HOME&INTERIOR- VOL.5

VOL.5
見た目だけじゃない
家事動線にもこだわった
個性的な色使いのカラフルハウス

100坪の敷地に立った真っ白な2階建てのアメリカンスタイルハウス。1階は20帖のLDKを中心にした広々とした空間。
2階は将来壁を追加できるようにした子ども部屋など個室を割り当てた4LDKだ。

ホワイトを基調とした清潔感のある佇まい。スリーラインを縦に張った外壁が個性を際立たせるアメリカンスタイルハウスの家が、福岡県桂川町に建つ梶原邸だ。ウッドデッキと組み合わせたカバードポーチや、軒を伸ばした大きなカーポートなど、目を引くディテールの多い住宅だが、じつは家の中にも工夫を凝らしたポイントが数多く仕込まれている。日々の生活を効率化する計算された家事動線は、特に注目したいポイントといえるだろう。

OWNER KAJIWARA FAMILY
BUILD 2021/LAYOUT 4LDK

インスタグラムやピンタレストなどのSNSを駆使し、理想的なディテールを積み上げていったという梶原さん夫妻。海外の住宅を参考にして完成させたという家は、個性あふれるディテールがたっぷりと詰まっている。特にLDKの中心となっている壁は建築の途中で仕様変更してまで作ってもらったというお気に入りのポイントだ。

友人宅のオープンハウスに訪れたのがきっかけになり、同じ建築会社「サニースポット」に家を建ててもらったという梶原邸。

 2021年に竣工したというその家は、南側にカバードポーチを配置し、エントランス部は屋根を伸ばしてカーポートのような作りにしてあるのが特徴だ。このため、見た目のバランスが良くなっただけでなく、雨の日でも濡れずにクルマへ乗り降りできるなど、実用性も高くなっている。

 玄関側からLDK側に向かって動線を3本並行して配置しているのもユニークなポイント。一本は外来客向けの廊下、真ん中は家族が利用するウォークイン・シューズクローゼットで、玄関で靴を脱いだら棚へ収納、そのままリビングへと入れる。最後の一本はキッチン側から家族分の衣類をすべて収納するウォークイン・クローゼットへ向かう動線になっており、ランドリーを経由してバスルームへと向かう。

 日々の生活は並行したこの3本の家事動線に集約されており、何よりも育児をこなしながら家事も担うという奥様の動きが効率化できるようになっている。

こうした効率化と共に、梶原邸はドアを開けるたびに違った世界観が広がるようにも工夫されている。大きくはアメリカン・スタイルという括りながらも、見る方向によってイメージカラーが大きく変わるのだ。

 板を縦に張り、外壁と色合やトーンを合わせたリビングの壁はそのひとつ。リビングに置かれたソファから見ると、真っ白な壁にブルーのドアがシンメトリーに2つ配置されている。左側のドアは玄関へ、右側のドアは2階へ通じる階段へ繋げられており、階段部は目にも鮮やかなイエローの壁に囲まれている。

 他にもホテルライクなトイレやカフェスタイルのデスクコーナーなど、ディテールの一つひとつが個性に溢れているのだ。

「家に帰って来るのがもっと楽しくなりま した」と語るご主人と、「家の中で動きまわる必要がないから、家事も短時間で済むようになりました」と語る奥様。アメリカンスタイルの家というと、見た目ばかりを気にしてしまうが、新居で暮らし始めてからの生活もしっかり考慮して建築されているのは、施工を担当した「サニースポット」の腕の見せどころでもあったようだ。

(1/15/2025)

PHOTO & TEXT_Kazutoshi Akimoto  秋元一利

株式会社CLASSIXが発行する“カリフォルニア生活”を提案するマガジン。
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