VOL.3
ハワイにありそうな平屋の一軒家をテーマにした
独立型ガレージのある家
ミルクガラスと呼ばれる温もりのあるガラス食器「ファイヤーキング」の中でも、業務用として生み出されたレストランウエアシリーズ。中村さんの住まいには、その貴重なコレクションがズラリと並んでいる。ヴィンテージの家具や雑貨に囲まれたガレージも見どころのひとつ。もうひとつのリビングともいえるガレージで、中村さんは好きなものに囲まれながら、ゆったりとした休日を過ごすそうだ。
OWNER KENTO NAKAMURA
BUILD 2021/LAYOUT 3LDK
転勤先の沖縄から、生まれ故郷の福岡へ配置換えとなったのをきっかけに、マイホームを建築したという中村さん。2021年に竣工した自宅には、数百にも及ぶファイヤーキングを筆頭に、雑貨や家具などをディスプレイ。アメリカンカルチャーに囲まれた暮らしを楽しんでいる。
大切な愛車を雨風にさらすことなく保管できるガレージは、クルマを趣味にする人なら誰もが手に入れたいと思う〝夢の空間〟だろう。特に母家とは別に建築された独立型のガレージは、音や匂いが生活空間へ 漏れることを気にする必要がないため、ぞんぶんにクルマ趣味に没頭できる、もっとも理想的なガレージスタイルのひとつだ。
2021年末に300坪という広大な敷地に平屋造の母家を建築した中村さんの住まいにも、そんな独立型のガレージがある。
“Aolani=アオラニ”(ハワイの言葉で「青空を心地よく流れる雲」という意味)と名付けられたその家は、福岡県筑豊地方を中心にアメリカンスタイルの住宅を得意とする「サニースポット」が建築したものだ。
10代の頃からアメリカン雑貨や家具をコレクションしてきたという中村さんは、ふたりの子どもを交えた4人家族。赴任先の沖縄から生まれ育った地元福岡へ戻ったのを機会に、終の住処となる家を手に入れることを決心。アメリカンスタイルにこだわった住宅を得意とする、地元ではよく知られた「サニースポット」へ建築を依頼したそうだ。
家づくりのテーマは、大好きなハワイにある平屋。母家の内外観をリゾートホテルのようにまとめ、ミッドセンチュリーの家具を組み合わせた。家の中央にはアウトリビング的な使い方のできるカバードポーチも設置。庭には前述した通り、ピックアップトラックを2台格納でき、将来的に店舗としての利用も可能なガレージも建築した。
母家とガレージを建築しても十分なスペースが残された敷地には、アメリカデイゴやココスヤシなど南国の植物を植えて、 リゾートスタイルに仕上げている。
非常にコンディションの良い1979年型シボレー・K5ブレイザーを格納するガレージには、10年以上も前からコレクションしてきたというヴィンテージの家具や雑貨がディスプレイされ、全体がアメリカンカルチャーでまとめられている。
注目すべきはズラリとならんだ大量のファイヤーキング(ヴィンテージ)だろう。じつは、近い将来ガレージをカフェに転用したいと考えている中村さん。長年収集してきたファイヤーキングは、カフェをオープンしたら使いたいと考えている。コレクションの大半がジェードとよばれる業務用のレストランウエアシリーズであるのも、そんな将来を見据えたものだ。
今後は庭にヴィンテージのエアストリーム・キャンピングトレーラーも設置して、より一層アメリカの雰囲気を強調したいと中 村さんは語る。よく晴れた空の下、アメリカンカルチャーに囲まれた中村邸は、晴れた空が似合う、素敵な住まいだった。
(12/23/2024)
PHOTO & TEXT_Kazutoshi Akimoto 秋元一利
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