イギリスの古民家のような石積みの壁で仕上げた 伝統的なカントリーハウス|CalマガジンHOME&INTERIOR- VOL.8

VOL.8
イギリスの古民家のような
石積みの壁で仕上げた
伝統的なカントリーハウス

ひと口に「カントリーハウス」といっても、スタイルは千差万別だ。赤毛のアンに登場するような板張りのラップサイディングが特徴的なアメリカンスタイルもあれば、石や煉瓦を積み上げたようなヨーロピアンスタイルもある。群馬県南部に建築されたK邸は、まさに後者をイメージしたクラシックな意匠が特徴的。使用する材料にも徹底的にこだわった、まるでイギリスの古民家のような住まいである。

OWNER K FAMILY
BUILD 2018/LAYOUT 3LDK
群馬で生まれ育ったというKさんご夫婦。フレンチカントリーに惹かれて、優しい風合いの木製家具を好むようになり、やがて「自宅を建てるならぜひカントリースタイルの家を」と思うようになったそうだ。何社ものハウスメーカーを訪れた末に選んだのは、カントリータウンアンドカンパニー社が建築する「カントリーハウス・石の家」だった。

板を横張りにしたラップサイディングや鎧戸など、アメリカンスタイルで仕上げたカントリーハウスと双璧をなすのが、石やレンガを積み上げたヨーロピアンスタイルのカントリーハウスだ。最近はシンプルに塗り壁で仕上げた家も多いが、よりクラシカルに見せるなら石やレンガを積み上げた外壁がおすすめ。雨風にさらされながら年月を経ていくと、まるで何十年もの年月を経てきたイギリスの古民家のように見せることができるからだ。
 群馬県南部の市街地に建つK邸も、そんなクラシックなスタイルで仕上げられたカントリーハウスである。
 K邸の施工は群馬県伊勢崎市に拠点を構える「カントリータウンアンドカンパニー」が担い、200坪を超える大きな敷地に石積みの壁を模した家が建築された。躯体は木造軸組工法(在来工法)を採用するが、その材料の大半は海外から輸入するなど、使う材料の一つひとつにまで徹底してこだわったものだ。
 梁や柱はログハウスにも使用されるダグラスファー(米松)を使用するが、梁の幅は20cm。高さは最大で40cm以上もある。ハンドカットのログハウスで使用する丸太と異なり、K邸で使用される木材は製材しているため原木は直径50cm以上の太さが必要となり、国内では入手が難しくカナダから輸入しているという。

室内は全面を漆喰の塗壁としているが、職人によりコテムラ仕上げとした上、さらに蜜蝋ワックスで上塗りするというひと手間を加えている。ワックスは汚れ防止という機能性に加え、漆喰の凹凸に絡み合い濃淡差を強調することで、壁に陰影を出すという視覚的な効果も発揮するそうだ。
 2018年に竣工したこの大きな間取りの家には、施主のKさん家族が4人で暮らしている。カントリースタイルの家を選んだのは奥様の好み。いくつものハウスメーカーを訪ねたが、「カントリータウンアンドカンパニー」社の建築する家が、まさに理想とするカントリーハウスそのものだったという。
 庭には南面に物置として使用している小屋「ガーデンシェッド」を備え、北側には大きな薪棚もこしらえてある。市街地まではやや距離があるが、山裾を切り開いた眺望のいい住宅地は、どの家も景観条例により高いフェンスなどがなく、開放的でまるで海外の別荘地のような雰囲気に包まれている。土地選びもまた、理想的な暮らしを実現するための必須条件であることを、改めて感じさせられた素晴らしいカントリーハウスだった。

PHOTO & TEXT_Kazutoshi Akimoto  秋元一利

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