【ロサンゼルス1日】ロサンゼルスで回転寿司店に行ったことはあるだろうか。この地では「くら寿司」が有名だ。行ったことがある人は、いつ行っても列ができている人気ぶりを知っていることだろう。「くら寿司」は現在、米国にサンタモニカ店やリトルトーキョー店をはじめ、45店を構えている。そこに新たな風が吹くことになりそうである。
回転寿司チェーン「スシロー」を展開する(株)フード&ライフカンパニーズが、早ければ来年に北米出店を検討していることがわかった。これまで日本とアジアで店舗を拡大してきたが、現時点で、欧米に出店していない。「スシロー」がもしLAに来れば、当然、回転寿司業界の価格競争が起きることになり、また客にとっては行く先の選択肢が増えることになり、消費者にとって嬉しいニュースになることは間違いないだろう。
(株)フード&ライフカンパニーズの社長・水留浩一氏は読売新聞の取材に対し「北米での事業展開について、1、2年のあいだに手を打っていく」と述べている。
各社が海外戦略に力を入れる背景には、価格競争が激しい日本国内よりも、海外では料金を高く設定できる利点がまずある。またチップという制度も大きいだろう。ここに暮らす人々はそもそも価格の変動に耐性があるため、店側は仕入れ値や人件費の上昇などを柔軟に反映することができ、収益を確保しやすいといえる。
国内の人口が減るなか、回転寿司店の海外進出の動きは今後も加速しそうであるとともに、それは見方を変えれば、国内市場の飽和が、結果的に海外での回転寿司の競争を激しくさせていると分析できる。