VOL.2
カリフォルニアのビーチハウスをイメージ!
2つのガレージを配置した大人の秘密基地
幼い頃手にしたイーブル・ニーブルの玩具に魅了され、「いつかはボクもスタントマンになる」と心に誓った成田少年は、その後見事に“道を外れた”。崖を飛び越えることも、生と死の間を歩くこともなかったが、その代わり立派な建築家になった。もっとも、幼い頃に触れたアメリカの文化には次々と引き込まれ、イーブルが何度もスタントジャンプを披露したカリフォルニアに魅了されていったという。 奈良県田原本町にある自宅は、まさにそんなカリフォルニアそのものだ。
OWNER JUN NARITA
BUILD 2017/LAYOUT 2LDK
成田さんが代表を務める「ホットビルド」は奈良県田原本町を中心に、関西圏の住宅や店舗の設計・建築を手掛けている。その趣味の良さはSNSを見れば一目瞭然。仕事の依頼はDM経由で受けている。
奈良県田原本町で建築業を営む「HOT BUILD(以下ホットビルド)」の成田さんは、幼い頃にイーブル・ニーブルに惹かれたのがきっかけとなり、アメリカン・カルチャーの世界へと引き込まれていった。 「三つ子の魂百まで」とは良くいったものだ。スタントバイクのエンターテイナーから受けた異文化の魅力は、少年の心に宿り、その後も消えることはなかった。
成田さん自身がスタントマンになることはなかったが、バイクやMTB、クルマなど、アメリカの乗り物や文化にはどっぷりと浸ってきた。2017年に竣工した自宅は、そんな成田さんの歩んできたライフスタイルが見事 に凝縮されている。
ビルドインガレージを含めた母屋は、まるでカリフォルニアにある平屋住宅のような、低くてフラットな屋根が特徴。母屋と2つ目のガレージをL字型に配置し、2方向に流れる屋根で繋いである。「屋根を高くするとカッコ悪くなるでしょ。だから見た目を優先して低く仕上げ、屋根の勾配もフラットに近づけるために緩くしているんです」と、成田さんは語る。
意外なのは、屋根が低くても、室内は圧迫感もなく、むしろ開放的で広々としていること。特にリビング部は天井を一段高くしており、一般的な構造の住宅と比較してもかなりゆったりとした室内高になっている。
バイクコレクションが格納されているガレージは、奥にちょっとした事務スペースがある。一時期はこのガレージが仕事場になっていたそうだ。ガレージ内に土足のまま使えるトイレも設置。もうひとつのガレージはミニカーや看板などのヴィンテージコレクションや作業道具などを格納している。
その母屋と内部で通じているひとつめのガレージはバイク専用。ここには合計7台のバイクが格納されているが、驚くことにそのうちの4台は、なんと奥さんの愛車だ。かつてはMTBのダウンヒルやスラロームなどの競技にも参戦していたという成田さん。今はバイクに乗り換えて、休日は夫婦で山野を走ることが多いそうだ。
2つ目のガレージは、母屋と屋根で繋がっている。雨の日でも濡れずに移動できるが、気分的には家の外に作った納屋のようなポジションだ。その室内にはヴィンテージを中心としたコレクションが並ぶ。
住宅建築のモデルハウスとしても機能するこの自邸には、2つもガレージがあるのに、クルマは屋外のカーポートが定位置。もっとも、そのカーポートはアメリカのガソリンスタンドを精巧に再現しており、成田邸のシンボルのような存在になっている。
(12/17/2024)
PHOTO & TEXT_Kazutoshi Akimoto 秋元一利
株式会社CLASSIXが発行する“カリフォルニア生活”を提案するマガジン。
カリフォルニア好きのバイブルとなっている!
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