

筆者・志村 朋哉
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南カリフォルニアを拠点に活動する日米バイリンガルジャーナリスト。オレンジ・カウンティ・レジスターなど、米地方紙に10年間勤務し、政治・経済からスポーツまで幅広く取材。大谷翔平のメジャー移籍後は、米メディアで唯一の大谷番記者を務めた。現在はフリーとして、日本メディアへの寄稿やテレビ出演を行い、深い分析とわかりやすい解説でアメリカの実情を日本に伝える。
通信004
大谷翔平の約束が現実に!
L.A.で熱狂の優勝パレード
ワールドシリーズ制覇を果たしたロサンゼルス・ドジャース。優勝の二日後、祝賀パレードが行われたロサンゼルスのダウンタウンは歓喜に包まれました。ロサンゼルス市警の推定では、金曜日の朝にもかかわらず、約22万5000人ものファンが喜びを分かち合おうと詰めかけたそうです。(病欠をとって参加した人もいたようです。)選手やその家族が二階建てバスから手を振ると、沿道をドジャーブルーで埋め尽くしたファンからの歓声が街に響き渡りました。
ドジャースと契約した時に、大谷翔平は「ロサンゼルスの街でワールドシリーズのパレードを行う」のが目標だと述べました。そのファンとの約束を1年目で実現したのです。
パレードに続いて、ドジャースタジアムでのセレモニーが行われ、大谷も壇上に登場。照れくさそうにしながらも、「これは特別な瞬間です。ここにいられること、このチームの一員であることを光栄に思います。ロサンゼルス、おめでとうございます。ファンの皆さん、ありがとうございます」と話し、スタンドからの歓声は最高潮に達しました。普段は控えめな大谷が、ファンに直接、感謝の言葉を英語で伝えたからです。
2020年にもドジャースはワールドシリーズを制しましたが、当時はコロナ禍でシーズンも短縮され、パレードも実施されませんでした。今回の優勝は待ちに待った本格的な祝賀イベントとして、選手とファンにとっては特別なものとなりました。
政治や人種などによる分断が深刻なアメリカですが、今回のドジャース優勝では、ロサンゼルスの街全体が一体となって喜びを分かち合いました。スポーツは、日常や社会の問題を一時的に忘れさせ、信条やライフスタイルの異なる人々をつなぐ力を持っています。
ドジャースは特別な存在
ロサンゼルスとその周辺には、レイカーズやラムズ、USC、UCLAなど、プロや強豪大学のスポーツチームが20以上もひしめいています。しかし、1958年にニューヨークから移転して以来、ドジャースはロサンゼルス市民にとって街の象徴の一つであり続けています。
ロサンゼルスには、ドジャースが生活の一部になっているという家庭が少なくありません。テレビでは毎日のようにドジャースの試合が流れ、年に数回はユニフォームを着てドジャースタジアムに観戦に行く。3、4代にわたって応援し続けているというケースも珍しくありません。そうした家庭で育った人にとっては、ドジャースの歴史は、家族との思い出の歴史でもあるのです。
アナハイム在住のジョージ・メディーナさん(46)は、物心がついた時からのドジャースファンであり、17年前に亡くなった父との思い出が今回の優勝でよみがえったと語ります。特に、ワールドシリーズ第1戦でフレディー・フリーマンが放った満塁サヨナラホームランの瞬間、1988年にカーク・ギブソンが打ったサヨナラホームランを思い出したそうです。
「ギブソンのホームランを見て飛び跳ねる僕を微笑みながら見ていた父の姿が、今でも鮮明に思い出されます。この優勝を通して、父との思い出を家族と分かち合うことができました。スポーツへの情熱とチームへの忠誠心を教えてくれた父に、今でも感謝しています。この喜びの瞬間を、もう一度、一緒に味わいたかったです」
今回のフリーマンのホームランも、きっと次世代に語り継がれていくことでしょう。
(11/7/2024)
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