Vol.31 ハーフ・ドーム(ヨセミテ国立公園)カリフォルニア州
このトレイルを歩くのは、今回で3度目になる。一度目は、友人と二人でハーフドーム許可証を入手し、初めての試みとして。その時は、不運にも5月末で、残雪の影響でケーブルの設置が間に合わず、ハーフドームを目の前にして断念した(登山前からケーブルが設置されていないのは分かっていた)。2度目は、その翌年に同じ友人とリベンジし念願の初登頂。次いで今回。実は家内が是非チャレンジしたいと言い出し、3月に許可証を申し込んだものの抽選にハズレ断念。とは言うものの、折角だから滝を楽しみながら、途中まででも行ってみようという事で、この度のハイクとなった。
川を越えると山道に入るが、始めの舗装道路よりは緩やかな勾配に感じられる。このルートはミスト・トレイルと呼ばれ、名前の取り水しぶきが名物。水量が多いときは雨具がないとずぶ濡れになる。特に降雪の多い年の春先は、滝から流れ落ちる水量が物凄く、早朝の気温の低い時間帯は、雨具無しでは凍えること必至なので注意が必要だ。林道を抜けると、川を眼下に臨む階段状の道となり、その先には、水しぶきを上げて流れ落ちる大迫力のバーナル滝が迫る。間近から見上げる滝には、威厳の様なものさえ感じられる。ナイアガラの滝や、アマゾン・ジャングルの秘境イグアスの滝も訪れたことがある、滝好きにとっては、たまらない光景である。規模こそ大きくはないものの、自らの足で歩き、間近に体感できるこの滝は、かなり上位にランクインする。雨具を着込み、準備万端で輝く飛沫と、その向うの滝の景観を楽しみながら、石を積み重ねて作った階段を上る。足元はかなり滑りやすいので注意は欠かせない。
地球を走る
アウトドア・アドベンチャーのすすめ
Nick D (ニックディー)
コロンビア、メキシコなど中南米での十数年の生活を経て、2007年よりロサンゼルス在住。100マイルトレイルラン、アイアンマンレースなどチャレンジを見つけては野山を駈けまわる毎日。
「アウトドアを通して人生を豊かに」をモットーにブログや雑誌への寄稿を通して執筆活動中。