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Vol.31 ▶︎ 後戻りはできない・・・トレーニングあるのみ!
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その後、無事ボランティアの仕事を終えて、ゴールへ観戦に向かう。朝7時にスタートしたレース。太陽が沈み、辺りが暗くなる頃にはアスリートたちが続々とゴールし始める。140.6マイル完走の栄光のゴールに近づくにつれて沿道の歓声が大きくなる。アーチをくぐる寸前には、アスリートの名前が呼ばれ、次いで、「You are an Ironman !」の祝福のアナウンスで感動のゴール。その場に倒れ込むアスリート、公然と涙を流し続けるアスリート、ボランティアに抱き着くアスリート。様々な感極まるシーンがそこにある。
完走者の中には、70歳を超えるアスリート、片足義足のアスリート、帆走者に手を引かれて走る目の不自由なアスリートまで。続々とゴールし涙するアスリートを目の前にし感動と興奮に包まれるひと時。皆が様々なものを克服し過酷なトレーニングに耐えこの場に立っている。感動の光景を目の当たりにし、スイムでビビッている場合ではない。必ずアイアンマンの称号を獲るべく、申し込みを決意した瞬間だった。翌朝は朝4時から会場となったアイアンマン・ビレッジで優先申し込みのラインに並び、念願の出場権ゲット! 目的を達成して、晴れ々とした気分で家路に向かえると思いきや、スイムの不安がまた蘇り、早くも帰りの車の中で弱気に・・・とは言うものの、既に申し込みをしてしまった。これから一年、「You are an Ironman!」目指してトレーニングあるのみだ。
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日が昇る前に一斉スタートでレース開始
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ワンポイントアドバイス
1.申し込みをしてしまう マラソンでもトライアスロンでも目標を達成するためには、継続的なトレーニングは欠かせない。その一方、モチベーションを高く持ち続けることは至難の技。私も今日は寒いからとか、忙しいとか、体調が良くないとか、ついついサボる理由を探すことがある。そんな状況下でトレーニングを続ける秘訣はというと、とりあえずレース参加の申し込みをしてしまう事。トレーニングを重ねて準備が整ってから申し込みをしようと思うと、つい、練習もサボりがちになってしまう。逆に、申し込みを先にしてしまうと、後戻りが出来ないので、時間を見つけてトレーニングをするようになる。モチベーションを高く保つというよりは、「やらざるを得ない環境」を作ろう。
2.恐怖心の克服 とにかく申し込みをしろと言われても・・・と思う人も多いだろう。私も本文で書いたように泳ぎが苦手とか、かなり頻繁に弱気になる。そんな時、今回のように大会を見に行ったり、ゴールの感動を見たりすると自分が抱える心配が小さい事だと思えるようになる。義足でマラソンを完走する苦労、目の見えない人がオープンウォーターで泳ぐ恐怖は並大抵ではない。ゴールの感動を目の当たりにすると、頭の中でロッキーのテーマが鳴り響き勇気が沸いて来る。一度克服して申し込みをしたら、悔やんでも後の祭り。練習あるのみだ。次はいよいよ、アイアンマンレースに挑む。
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給されたボランティア用のTシャツ。ボランティア用でもアイアンマンのロゴ入りのTシャツは嬉しい
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(9/28/2022)
Nick D (ニックディー)
コロンビア、メキシコなど中南米での十数年の生活を経て、2007年よりロサンゼルス在住。100マイルトレイルラン、アイアンマンレースなどチャレンジを見つけては野山を駈け回る毎日。「アウトドアを通して人生を豊かに」をモットーにブログや雑誌への寄稿を通して執筆活動中。