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Vol.29 ▶︎これで、念願の“トライアスリート”だー!
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野外コンサート、裸の集団、辺りにはマリファナの匂い。今更ながらウッドストックと呼ばれる意味が分かった。言い換えれば、ヒッピーによるトライアスロンの祭典。それにしては、全体的には若者の姿が多いながら、私たちのような家族連れも少なくない。かつてのヒッピーが大人になって、子供連れで参加しているということだろうか?なかなか面白い大会である。 大騒ぎする声は一晩中続き、あまり眠れないまま翌日を迎えた。
肝心のレースはというと、親指骨折を物ともせず、トレーニングした甲斐もあり、無事に初のロングコースであるスイム2km、バイク90km、ラン21kmを目標時間の8時間を切る、7時間39分にて完走した。沿道ではクレージーな若者達が裸で踊っていたり、奇声を上げたりで始終お祭り騒ぎ。デビュー戦のような溺れる恐怖に晒される事も無く、2度目のようにバイクで泣きが入る事も無く、3度目にして始めて始終レースを楽しむことが出来、大満足の結果となった。
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遠くに見える赤いアーチがスイムのスタート。2km泳いで、またここに戻ってくる
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レースの一週間後、先延ばしにしていた手術の相談をするべく再度、例の医者を訪問した。改めてレントゲンを取り、詳細にわたる検査をした結果、医者の口から出た言葉は・・・「もう治ってるから、手術しないでいいよ」と驚きのコメント。不自然にくっ付いた骨や、ボルト固定は何だったんだ~。 結局親指は、稼動範囲も元に戻り怪我の後遺症は全くない。今では骨折したことさえ忘れてしまうほどだ。専門医と呼ばれる医者の診断も、全くいい加減なものである。
レース後、自慢げにワイルドフラワーのロゴの入ったバイク・ウェアーを着て、近所でトレーニングしていると、流石に有名な大会だけあり、通りすがりのトライアスリートから「格好いいウェアーだね」とか、「ワイルドフラワー出たの?」と、幾度と無く声を掛けられた。デビュー戦、2戦目ともに、惨めな思いをしただけに、ここに来て漸く念願のトライアスリートになれたようで、一人バイクのペダルを漕ぎながらニンマリする私であった。
さて、次なる目標は・・・アイアンマン?
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ワンポイントアドバイス
1.「ワイルドフラワー」是非お試しあれ (1983年に始まった歴史ある大会ではあるが、残念ながら干ばつによる湖の水位低下などの理由により現在は開催されてておらず、いつ再開されるかは未定) 幾つものレースに出たが、ワイルドフラワーは特別な存在。いたる所お祭ムードでとても楽しい大会なので、機会があれば是非、参加してみて欲しい。wildflowerexperience.com
2.ウェットスーツ着用のルール 今回のレースでは当日水温が高く、直前でウェットスーツは着用不可とのアナウンスがあった。スイムが極めて苦手な私は焦りまくったが、よくよく聞いてみると、それほど酷な話ではなく、エイジグループ・アスリートは着用OKということで一安心した。 米国のトライアスロンの取り纏めをするUSA Triathlon (USAT)やアイアンマンの大会では、それぞれウェットスーツの仕様とあわせて、着用可能な水温に関するにルールがある。ルールはプロや入賞を狙うアスリートと、エイジグループと呼ばれるいわゆる一般アスリートでは適用が異なる。例えば、USATでは、プロは25.5度以下で、エイジグループは29度まではスーツ着用可。アイアンマン大会では、若干下がるが、それでも、プロ24.5度、エイジグループ28.8度なっている。拠って、よっぽど水温が高くなければエイジグループではウェットスーツを使うことが出来る。当日の急なアナウンスにもパニクる必要なし、安心してレースに臨もう。
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(9/14/2022)
Nick D (ニックディー)
コロンビア、メキシコなど中南米での十数年の生活を経て、2007年よりロサンゼルス在住。100マイルトレイルラン、アイアンマンレースなどチャレンジを見つけては野山を駈け回る毎日。「アウトドアを通して人生を豊かに」をモットーにブログや雑誌への寄稿を通して執筆活動中。