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Vol.17 ▶︎ブライスキャニオン谷底・フーデゥーの森のなか
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パイウテの民は、春から秋にかけて木の実を取り、狩りをし、厳しい冬に備えた。そして冬になると、戒めの気持ちを込めて、フーデゥーにされてしまった人々の話を子供たちに伝え聞かせたという。
今でもユタ州を中心にパイウテの人たちは、幾つかの小さなコミュニティーに別れて暮らしている。昔話は語り継がれているのであろうか。因みに、パイウテの人々は、フードゥーを「アンカ・ク・ワサウィツ」と呼んだそうだ。「赤く塗られた顔」と言う意味らしい。
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一旦谷底に降りると、急勾配のアップダウンはない。息を切らすことなく歩くフーデゥーの森は、感動に満ち溢れている。少し前を歩く家内。時折、写真を撮るために立ち止まっては、周囲を見渡し、ため息を漏らしている。
先ほどまでは、「Hermoso!」「Bellisimo!」「Espectacular!」と、目にする景色すべてに感嘆の言葉を発していた。美しさを形容する語彙が豊富なスペイン語を母国語とする家内だが、そろそろボキャブラリーも底をついたようだ。美しさや感動を言葉にするのは容易なことではない。然し、言葉に出来なくとも、ただ歩いているだけで、これほど幸せな気持ちになれる。それは、言葉が生まれる前から存在する、自然と一体となる事によって得られる、人間の本能的な喜びのようにも感じられる。
足元には名も知らぬ小さな木の茂み。ハーブティーのような香りが漂う。フーデゥーの森は、本能的な喜びを満足させるものには事欠かない。暫く何も考えずに本能のままに歩くのも悪くない。 三方をすっかり、アンカ・ク・ワサウィツ、「赤く塗られた顔」の集団に囲まれてしまった。堂々とした体躯の巨人たち。ただ静かに人々を見下ろしている。僅かに見える青い空が眩しい。 自然の恵みを大切にしなかった故に、フーデゥーに変えられてしまった伝説の人々。ここを通る我々に何か伝えたい事があるのだろうか・・・。遠くから囁き声が聞こえたような気がした。
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まさに赤く塗られた顔、赤鬼の様に見える
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ワンポイント・アドバイス
いつも繰り返すお馴染みのアドバイスだが、谷の上と下では全く景色が異なるので、少しでもいいので谷底へ降りてみてほしい。ブライスでは、ナバホ・トレイル、そしてクイーンズ・ガーデン・トレイルが最もポピュラー。家族連れにお勧めの、他では味わえない美しいトレイルだ。しかし、その分人も多いので、今回は敢えてフェアリーランド・ループを紹介しよう。
1.フェアリーランド・ループ トレイルヘッドは、ブライスキャニオン国立公園内にあるが、料金所の手前となるので、公園外のような印象を受ける。ループの名の通りぐるっと回ってスタート地点に戻るルート。距離にして7.6マイル(約12㎞)と少し長め。所要時間は途中の楽しみ方によってまちまちだが、最低5時間程度はみておくと良いだろう。ルートは変化に富んでおり、砂漠のようなところから、谷底の森、そしてリム沿いと、ブライスの多様な姿を堪能することができる。他のトレイルでは多くの観光客がいる時期でも、ここにはほとんど人がいないのも魅力。整備はそれほど行き届いていないので、初心者にはお勧めできないが、とても楽しいトレイルだ。時間の余裕と十分な水(一人最低2リットル)や食料をお忘れなく。蛇足ではあるが、園内には絶滅危惧種のユタ・プレイリードッグが出没するので、車の運転の際には十分に注意しよう。
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(6/21/2022)

Nick D (ニックディー)
コロンビア、メキシコなど中南米での十数年の生活を経て、2007年よりロサンゼルス在住。100マイルトレイルラン、アイアンマンレースなどチャレンジを見つけては野山を駈け回る毎日。「アウトドアを通して人生を豊かに」をモットーにブログや雑誌への寄稿を通して執筆活動中。
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