【手記 ケース2】DUI : プロベーション期間中の3度目〈前編〉

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ウエスト・ロサンゼルス在住 J.Tさん(男性)

先月の8月で、5年間のプロベーション期間(保護観察期間)が終わった。50代半ばでDUIで逮捕された自分にとって、この5年はなんとか自分の人生を立て直そうと必死で働いた。一歩一歩ゆっくりではあるが、前を向いて歩きだしている。

 

追突した車が逃走!

3度目のDUIで逮捕されたのは5年前の2月のこと。ゴルフコンペの賞金が入ったので帰りに仲間とみんなでトーランスの居酒屋で食事して、わいわい賑やかに楽しい時間を過ごした帰りだった。もともとたくさん酒を飲めるほうではないので、付き合い程度に飲んで食事を楽しんだ後、夜7時には店をあとにした。帰りは運転し、家のすぐ近くのフリーウェイの出口を降りようとしたその時、すぐ後ろを走っていたジープチェロキーに軽く追突された

 

私はフリーウェイの脇に乗り上げる形で停車。すぐさまポリスカーが来た。その若い警官が私に「君、大丈夫か? すぐにUCLAのホスピタルに行って、体に異常がないかどうか検査に行きなさい」と話しかけているその瞬間に、信じられないことが起きたのだ。私の車に追突したジープが免許証や保険証の情報交換も何もしないまま、スーっとその場から立ち去った。いや、立ち去ったわけじゃない。逃げたのだ。

 

 

事故後の身体(血液)検査で飲酒運転が判明

走り去るジープを見ながら、警官に「あの車だよ!あの車が追突したのに逃げようとしてる。捕まえてくれ!」と私は詰め寄った。警官は、「大丈夫だよ。車のナンバーもわかっているし、後でレポートできるから大丈夫」と私をなだめる。ああ、そうか。とその時は納得した自分だったが、それに納得したのがそもそもの間違いだった。彼はまだ警官になりたての新米警官で、あろうことか、のちの裁判で「後ろに追突した車など、いなかったことにしてくれ」と自分の対応ミスをもみ消そうとして、裁判を長引かせることになる。

 

まぁ、そのことは置いておいて、とりあえずその足で、私はすぐまた停車していたフリーウェイから車に乗り込んでむち打ちやケガなどの身体検査のためにUCLAホスピタルへ行った。そこで行われた血液検査で、飲酒運転と判定される0.08以上の血中アルコール濃度が出てしまったため、そのまま逮捕されてしまったのだ。

 

 

逮捕からツインタワーへ

3度目のDUI。過去2度のDUIによる10年間のプロベーションが終わるまであと7ヶ月のところだった。プロベーション終了間際で再び逮捕された。初回のDUIであれば、一晩だけ留置場に拘留されて家に帰ることができるが2回以上、さらにプロベーション期間内での再犯となると、そういうわけにはいかない。

 

病院で検査が終わるとすぐさま逮捕され、ロサンゼルス・ダウンタウンにある「ツインタワーズ・コレクショナル・ファシリティ(The Twin Towers Correctional Facility)」、通称ツインタワー(LAダウンタウンのBauchet ストリートにある2つの棟でできている建物)に護送された。

 

そこで知らされたことだが、まずわかったのは、私が出廷するのはコンプトン裁判所であることだ。さらに1ヶ月に一度は出廷して検察官などお役所の人たちと話し合いを持たないといけないということ、さらには、裁判が終了するまでにかかる期間は5ヶ月というまだまだ先の話であること(あまりに裁判にかかる人が多すぎるため、かなりの順番待ち)。

 

たしかに保釈金10万ドル、またはベイルボンドを利用してその10%を払えば保釈されて、家から裁判所に通うことができるが、そんな高額な保釈金なんてどうやってもその時の自分には、捻出できるわけもない。

 

私はこれまでの罰を受けるべく、5ヶ月間を塀の中で過ごすことを心に決めた。

 

(後編へ続く)

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