美容で人をスマイル(9/25/2019)

日本の美容界をけん引するヤマノグループ。二代目山野愛子ジェーンさんは山野学苑の理事長、山野美容専門学校校長、山野美容芸術短期大学学長、山野流着装教室の宗家として、初代の教え“美道”の精神に則り、人々を美容で幸せにする活動をする

美容家

山野 愛子 ジェーン

Jane Aiko Yamano

美容を通して人を笑顔に、そして幸せにする。そんな信念をもって活動するのは、山野愛子ジェーンさんだ。日本美容界の草分け的存在、初代山野愛子さんの孫にあたり、18歳で二代目山野愛子となった。現在は山野学苑の理事長を務めながら、山野美容専門学校校長、山野美容芸術短期大学学長、山野流着装教室の宗家として活動。初代の教え〝美道〟の精神、つまり〝髪・顔・装い・精神美・健康美〟の五大原則に基づき、トータルビューティーによって女性がより美しく幸せに生きるためのサポートをする。

生まれ育ったロサンゼルスには初代が創設した山野美容学校ロサンゼルス校があった。幼少時から、祖母が米国へ来たときや二世ウィークなど着物や浴衣を着る機会があった。12歳のとき、家族で日本へ。「着物を好きになれるようにと、祖母がミニスカートやセパレート式のものを着せてくれたりして。いつの間にか自然に着物を着るようになっていました。だまされたのかなあとも思いますけど(笑)」と振り返る。

「ローカルの人にも在米日本人にも正しい着物の着方を知ってもらいたい」と、LAでは奥伝講師や準師範の資格が得られる査定の実施を12年前にスタートした。これまで66名の資格取得者を送り出し、卒業生がOC、トーランス、ガーデナ、パサデナ、ソーテル、ノースハリウッド、サンフランシスコ、アリゾナ、ソルトレイクシティなどで着付け教室を開き、その生徒がまた査定に参加というように、米国でのきもの文化普及に一役買っている。

また、世界で高齢化が進む現代において、美容福祉の実践にも力を入れる。山野美容専門学校では、より良い高齢社会を築くために生物学や医学、心理学、社会学など多面的かつ総合的に加齢を研究する学問ジェロントロジーに美容を取り入れた“美麗学”を教える。ジェーンさんは学生を連れて福祉施設などを回り、入居者にヘアやメイク、着付け、ネイルを施し、車椅子に座ったままでも着付けを行う。「メイクやネイルをしてあげると、お年寄りがすごく元気になってニコニコ笑顔を見せてくれる」。年をとっても、障害を持っていても、美容を通じて豊かな人生を過ごすことはできると信じるジェーンさん。そのサポートをするためにも、熱心に学生を指導する。

平日は学校関連の仕事、週末は着付け関係の仕事と、超多忙な毎日を送る。「大変だけど楽しい。着物も好きだし、人をハッピーに、スマイルにするのが昔から大好きだから。常にそれが前提にある」と話し、自身もやさしく暖かなスマイルを絶やさない。美容を通して人を幸せにできるのが、ジェーンさんにとって何よりの幸せだ。

「人をスマイルにするのが大好き」というジェーンさん。自身も常に笑顔を絶やさない

生まれ育ったLAには初代が創設した山野流着装教室がある。ジェーンさんも毎年、査定や伝達式のために訪れ、これまで60名以上の卒業生を送り出してきた。「米国ではローカルのみなさんが日本文化についてとても知りたがる。日本人も見習わなきゃいけないなあと思うぐらい」

 

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