日本不動産市場 2026年の展望 緩やかな成長と構造変化の時代へ

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日本不動産市場 2026年の展望
緩やかな成長と構造変化の時代へ

2026年、日本の不動産市場は「安定成長と構造転換」が同時に進む年になると予測されています。人口減少や金利上昇といったリスク要因を抱えながらも、都市再開発・インバウンド回復・物流需要の拡大など、分野ごとに明確な明暗が見え始めています。

■ 経済と金利の動向
日本銀行の最新見通しによると、2026年度の実質GDP成長率は+0.7%程度、物価上昇率は1%台後半と緩やかな拡大が続く見込みです。長期金利は上昇傾向にあり、住宅ローンや不動産開発の借入コストにも影響が及びます。

金利上昇は一見マイナス要素ですが、物価・賃金がともに上昇する局面では「実物資産である不動産」の価値が再評価される傾向があります。つまり、安定収入を生む優良物件は引き続き投資対象として注目されます。

■ 住宅・賃貸市場:賃料上昇と二極化
全国的に賃貸需要は堅調で、とくに東京・大阪・名古屋など大都市圏では賃料が過去最高水準に達しています。
背景には、単身世帯の増加、若年層の都市回帰、持ち家志向の低下などがあります。

一方、地方・郊外では人口減少と高齢化が進み、空室率上昇が続く地域もあります。
今後は「立地」と「付加価値」が成否を分ける時代です。
たとえば、女性専用シェアハウス、高齢者対応型住宅、帰国者向け賃貸など、明確なターゲットを設定した物件は安定した需要が見込めます。

■ 商業用・物流・ホテル分野:再成長の兆し
オフィス市場はコロナ後の働き方変化を経て再調整期にあります。都心一等地や駅直結のハイグレードビルでは、空室率の改善と賃料の持ち直しが進行中です。

物流施設は、EC拡大や国内生産回帰を背景に依然として堅調。
2026年も非住宅建設投資は前年比+5%超の成長が見込まれています。
また、円安とインバウンド復活により、ホテル・旅館・簡易宿泊所への投資も再び活発化しています。
観光地や都市中心部では、稼働率の改善とADR(平均客室単価)の上昇が続いています。
■ 地域別の注目ポイント
東京・横浜・大阪・名古屋:再開発とインフラ整備が進み、資産価値の底堅さが目立つ。ただし取得価格は高く、利回りは低下傾向。

地方都市(札幌・福岡・金沢など):コンパクトシティ化の進展により、中心市街地の需要が集中。

リゾート・地方圏(千葉外房・沖縄・長野など):国内移住やセカンドライフ需要、訪日観光客による短期滞在ニーズが拡大。

都市型の安定収益か、地方型の再生・付加価値投資か——選択と集中が今後の鍵です。

■ 投資家・事業者が取るべき戦略
1.付加価値型・ニッチ市場への特化
シェアハウス、帰国者住宅、インバウンド型宿泊施設など、テーマ性のある物件が強みになる。

2.大都市圏でのリノベーション・再生投資
新築よりも、築古再生・用途転換による高利回り案件が注目される。

3.地方再生と移住支援の連携
空き家を活用した移住者向けプロジェクトや地域共生型開発は、政策的支援も受けやすい。

4.金利・為替を考慮した資金設計
円安局面では海外投資家にとって日本不動産は割安。出口戦略を明確にすることが重要。

■ まとめ:2026年は「差別化と選択の年」
日本の不動産市場は、量的拡大から質的競争へと軸足を移しています。金利上昇・人口減少という制約を受けながらも、都市再生・観光復活・ライフスタイル変化など新たな需要が生まれています。

2026年以降、不動産の価値は「立地」だけでなく「コンセプト」「運営力」「社会的意義」で決まります。
投資家・開発者・事業者に求められるのは、“所有”よりも“活かす”という発想です。

安定した賃貸運営と社会的ニーズを結びつけられるプレイヤーにとって、2026年はチャンスの年になるでしょう。

(11/5/2025)


鍵山 学(Manabu Kagiyama)
不動産・ライフサポートのエキスパート
DOTOWN, Inc. 代表

25歳でアメリカ・サンディエゴへ渡り、現在まで26年以上にわたりアメリカでの生活を築いてきた。異国の地での経験を活かし、不動産、開発、ライフサポート事業を展開。現在は DOTOWN, Inc. の代表として、日本とアメリカの架け橋となるビジネスを手がけている。

DOTOWN(DOTOWN, INC. DRE#022113) は、日本で不動産開発や管理、介護・高齢者サービスなど幅広い事業を展開しており、「人々が安心して暮らせるコミュニティづくり」を理念に掲げる。鍵山はその経験をもとに、アメリカ在住の日本人がスムーズに日本へ帰国し、新たな生活をスタートできるよう支援するプロジェクト を進めている。 www.dotown.co.jp
■問合せ: m.kagiyama@dotown.co.jp t.saito@dotown.co.jp

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