古川嵐ボーリススティール : アメリカで見出す剣道の新たな魅力 忍耐強く、ポジティブ精神で

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古川嵐ボーリススティール

剣道競技者

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アメリカのナショナルチーム「チームUSA」のメンバーとして、次回の世界剣道選手権大会への出場に臨む古川嵐ボーリススティールさん。剣道五段。
インスタグラム: @teamusakendo  
インスタグラム: @torrancekendodojo
https://www.torrancekendo.com/

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世界中から約60ヶ国が出場する世界剣道選手権大会。2018年に韓国で行われた同大会で、アメリカのナショナルチーム「チームUSA」は団体戦で世界3位を獲得した。この大会にチームUSAのメンバーとして出場した古川嵐ボーリススティールさんは、現在サンディエゴを拠点に次大会へ向けて道場で稽古に精進する。「3年に1度行われる世界大会ですが、2021年大会はコロナ禍のため延期。アメリカチームでは世界大会ごとに出場選手を決めるトライアウトが行われます。次のトライアウトは今年末ごろに予定されていますので、今はそこに集中して日々稽古に臨んでいます」。トライアウトには全米から剣道に深く携わってきた一流選手が集結、その中の10名が世界の舞台で戦うことになる。

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2018年韓国で開催された「世界剣道選手権大会」にて。

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 日系企業に勤務し、仕事が終わると剣道道場へ向かう。平日週2日はサンディエゴの道場、2日はオレンジカウンティの道場、残り1日はトーランスの道場を訪れ各道場で稽古を行い、指導サポートにも当たる。「それと併行してジムで筋力トレーニングをしたりもしています。道場では、足さばきの練習や素振り、面の打ち込み練習、技の練習など、どっぷりと剣道漬けの生活ですね」

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 福岡県出身、8歳で剣道を始めた。子どもの頃に観たアニメに刀使いがかっこいいキャラクターがいて、形(かた)に憧れたのが剣道を習い始めたきっかけだという。中学まで実家の近くにあった道場に通い、剣道の特待生として高校と大学へ進学、福岡県大会では3位の成績を残している。「大学を卒業する時期になったものの、自分の目標がないまま就職活動をしていました。そんな時、アメリカ人の父に『やりたいことがないのなら、一度アメリカに行って英語を勉強してこい』と言われたんです。いったん剣道から離れてみるのもいいかもしれないと思いました」

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トーランスの剣道道場に所属。次の全米剣道選手権での優勝も大きな目標としている。

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 7年前に、父方の親戚のいるウィスコンシン州へ渡米。コミュニティカレッジのESLで英語を学んでいた嵐さんだが、その傍らで英語の勉強も兼ねて大学の剣道部に剣道の指導をしていた。その後、ミッドウエストに住む剣道仲間から「全米剣道大会にいっしょに出場しないか」との誘いがあり、同大会に出場。団体戦で3位、個人戦で準優勝を果たした。これをきっかけにアメリカ代表チームより世界大会へのトライアウトの機会を与えられた。

 アメリカで剣道の新たな魅力を見出すことができたと話す。「チームUSAのモットーは、『全力で練習して、全力で楽しむ』。厳しい練習の中でもポジティブな精神を忘れない元気で明るいメンバーばかりです。競技者としての次の目標は、世界大会に出場して優勝すること。剣道家としては、ずっと支えていただいている地域の道場、先生や先輩への恩返しができるような指導活動をしていきたいです」。

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(5/3/2022)

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