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ガンプ鈴木 Gump Suzuki
人力車の旅人
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なぜ世界を旅して回るのかー。答えはシンプル「Just for fun」。人生は楽しむためにある、このことを具現化するべく人力車で世界の旅を続けるガンプ鈴木さん。アジア横断、ヨーロッパ縦断、オーストラリア横断、アメリカ横断など、走行距離は合計約33000kmを数える。
人力車との出会いは23歳の時だった。「世界一周の旅に行きたいけど、どうやってお金を貯めようかな、そんなことを考えながら東京の浅草をふらっと歩いていたら、人力車を発見。僕は出身が京都なので人力車には馴染みがある。なんだか楽しそうやなと、人力車の人に声をかけたのが始まりです」。すぐに浅草で人力車をスタートした。「人力車はタイヤも大きくて水平バランスを取りながら引くので意外と軽いんです。最近は女性の車夫さんも増えています。何よりも重要なのは、街案内をお客さんに楽しんでもらうためのトーク力や接客力。海外からのお客さんも多いので英語力を鍛えられます」
2016年、人生初の人力車の旅に出発した。「中国からインドへのアジア横断の旅。道中では100は下らないほどのハプニング続き。極めつけは、インドの税関で人力車を没収されたこと。いろんな手を尽くしても返してもらえず、泣く泣く日本へ帰国。間もなくインドから人力車が帰ってきた。よっしゃ!と、めげずに次はヨーロッパに向かいました」
2022年夏にはアメリカを横断した。ニューヨークからロサンゼルスまで、ルート66を走る5100kmの旅。1日1トラブルが発生。野生動物に追い掛け回されるなどの危機一髪は日常茶飯事。またある時は、ガソリンスタンドで目を離した隙に人力車が警察に持っていかれたこともあった。「大ショックでした。返してもらえたものの車体はボロボロ。ガムテープでぐるぐる巻きにして大雪の中を走り続けました」
ニューメキシコ州ギャラップではこんな出会いも。「人力車の大事なボルトが折れたんです。日本から部品を取り寄せると時間がかかる。どうしたものかと頭を抱えていました。あ、そうだ!数日前に泊まった宿のご主人スティーブさんはネイティブアメリカンでジュエリー職人!相談したら、人力車なんて触ったこともないがやってみる、と溶接して直してくれた。その時に偶然わかったのが、実は、僕がその3年前にアメリカ横断に挑戦した時、このギャラップの街でスティーブさんと一度お会いしていたんです。僕はすっかり忘れていたけど、彼がふと思い出してみつけてきた1枚の写真に、僕がピースして写っている。こんな広いアメリカで奇跡の再会でした」
ガンプ鈴木さんと、相棒である人力車の旅を記したドキュメンタリー映画『JUST FOR FUN~一期一会。人生を走る男の物語~』が5月11日にLAで上映される。「走りたいから走り続ける」人生の原点がみつかるかもしれない。
■チケット購入はこちら
https://justforfun-movie.com/usa/
(5/8/2024)
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