グランドサークルを一週間で 【グランドキャニオン編 ❶】

Vol.43 大自然が作り出した芸術から、地球の歴史を垣間見る

2019年2月26日で国立公園となって100周年を迎えたグランドキャニオン。渓谷の全長は400km以上で、幅は最大約29km、コロラド川の水の侵食で深さ1800mまで削られた谷底の地層は、遥か18億年前まで遡る。グランドキャニオンはノースリムとサウスリムで標高が異なるが、北側の平均標高は約2400m。多くの観光客が訪れ、施設も充実している南側は350mほど低く2050m程度である。コロラド台地が北から南へと下り傾斜となっているため、北側に降り注いだ雨水はノースリムの岸壁を伝い、表面を削り取りながらコロラド川へと流れ落ちる。降水量の多い北側からの雨は、時には濁流となって流れ込み、岩を侵食し、更には大規模な岩盤崩壊を起しノースリムの起伏に富んだ景観を作り出した。

ラスベガス発のグランドサークル一週間の旅の第一目は、グランドキャニオン・サウスリムを目指す。途中、ぜひ立ち寄りたいのが『フーバーダム』。ネバダ州とアリゾナ州の境に位置し、ラスベガスの町からは約1時間ほど。ルート66で有名なキングスマンへ向かう途中で、サウスリムまでの通り道にあるため時間のロスもほぼなしだ。1936年、当時世界最大級の土木工事の末に完成した巨大なダムは、堤防から下を除くと目が眩むほどの高さ。大迫力の巨大人工建造物は一見の価値は大いにある。フーバーダムからサウスリムの中心であるグランドキャニオン・ビレッジまでは約3.5時間の道のりで、ダムで一時間程度の寄り道をしても午後早い時間に到着可能だ。夕刻までの時間はサウスリム・トレイルのビューポイントから絶景を堪能したり、ブライトエンジェル・トレイルを少し下ってみてはいかがだろう。太陽が西に傾き夕日に赤く染まる渓谷はグランドキャニオンが最も美しい時間。至福の時を思う存分お楽しみあれ。

 

夏のグランドキャニオンも必見だが、 雪景色の中、夕日に染まる姿もまた格別

 

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Nick D (ニックディー)

コロンビア、メキシコなど中南米での十数年の生活を経て、2007年よりロサンゼルス在住。100マイルトレイルラン、アイアンマンレースなどチャレンジを見つけては野山を駈けまわる毎日。

「アウトドアを通して人生を豊かに」をモットーにブログや雑誌への寄稿を通して執筆活動中。

http://nick-d.blog.jp


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