VOL.6
冬季の景観にも配慮した
北海道の大自然を堪能する家
羊蹄山を見上げる眺望の良い敷地に、2020年に新居を建築したHさんご夫妻。ビルトインガレージを備えた「木の家」は、ゆったりとしたアウトドアライフを楽しむ趣味の拠点として建築されたもの。ガレージには2台のクルマと2台のオートバイを格納。さらにガレージ内に中二階を設けて書斎とストレージを追加。天気の良い日は北海道のあふれる自然を満喫するべく、林道やワインディングを楽しみ、冬は薪ストーブを使いながら快適な室内でゆらぐ炎を楽しんでいる。
OWNER H
BUILD 2020/LAYOUT 3LDK
兵庫県出身、現在は北海道倶知安町在住。2020年6月に新居を建築し、ご家族での暮らしを楽しむ。町の郊外にある住まいは、南に羊蹄山を望む眺望に優れた場所に建築され、寒さが厳しい冬でも室内から素晴らしい景観を楽しむことができる。
豊かな自然に囲まれた環境は、美しい景観を約束してくれる代わりに厳しい冬をもたらすなど、極端な二面性を持つことが多い。きれいな円錐形の姿から〝蝦夷富士(えぞふじ)〟の別名を持つ羊蹄山。その美しい山体を見上げる絶好のロケーションに建築されたH邸も、冬はすっぽりと雪に囲まれ、夏とはまったく異なる景観に様変わりする。例年積雪の始まる12月から雪解けの始まる4月頃までは家の周囲をぐるりと雪が囲み、一面銀世界の中での暮らしへと変わるそうだ。
こうした季節によって極端に異なる気象条件下でも常に快適な暮らしを営めるようにH邸は極めて高い住宅性能を基本に、四季折々に移り変わる大自然を堪能できるように景観にも配慮されたユニークな設計になっているのだ。
〝サンロクベース〟と名付けられた邸宅は敷地面積約500坪。南側に広がる羊蹄山の景観を生かすように、南面は吹抜けのある大開口を備えたLDKを中心とし、どこにいても美しい山体を眺めることができる。
新在来木造構法で建築された家は、東側を斜めに配置することで変化をつけ、公道側からの視線を上手に隠しているのが外観上の特徴。屋根は北側に向かって傾斜した片流れになっており、屋根に降った雪が自然と流れ落ちる。つまり南面の景観は冬季でも景観が保たれ、深々と雪が降り積もる中でも窓の外に広がる景観を楽しめるように考えられている。
居室は吹き抜け造のLDKを中心に、大きな開口のある南側には庭側のウッドデッキと床レベルを合わせた土間を設けて、ドブレ製の薪ストーブを設置。じつはH邸には温水暖房のセントラルヒーティングによる全館暖房が備わっているのだが、H邸ではほぼ未使用。厳冬期でも薪ストーブひとつで十分に暖めることができ、天井高4m以上ある大空間はもちろん、家の隅々まで快適な室温を維持できるそうだ。
フローリングにはミズナラなどの道産無垢材、外壁には道産スギ板を使用するなど、北海道の良質な木材もふんだんに使用し、西側には母家から直接出入りのできるビルトインのガレージも設けられている。
ガレージ内はクルマやオートバイを格納 するだけでなく、スキーやキャンプ用品を 格納するストレージも兼ねており、さらにガレージの一角には椅子や机を置いた書斎コーナーを設けるなど、ご主人の趣味を堪能する空間でもある。
アウトドアライフを楽しむご夫婦が、四季折々の移ろいを楽しみながら快適に暮らす、まさに理想的な「木の家」といえるだろう。
PHOTO & TEXT_Kazutoshi Akimoto 秋元一利
株式会社CLASSIXが発行する“カリフォルニア生活”を提案するマガジン。
カリフォルニア好きのバイブルとなっている!
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