諦めずに突き進んできて今がある”心踊るネイル”を作り続けられる人でありたい

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西本瞳子
Tohko Nishimoto

ネイルアーティスト

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友達と出かけたマリブにて。
西本瞳子さんのInstagram: @bytouko

特におしゃれに敏感な子、というわけでもなかったが、なぜか「やってみたい」と思い続けたことが彼女にとってはネイルだった。ヘアメイクやファッションよりも〝爪〟に惹かれた。西本瞳子さんは、その名のとおり美しく大きな瞳をもつ女性だ。今ではパリスヒルトンからBTSのプロデューサーまでセレブやお洒落に敏感なハリウッド界隈の人々から引っ張りだこのネイルアーティストの1人である。「私がネイルをしたお客様がこれからデートや旅行、さまざまなところへ行く話を聞くと、このネイルも一緒に私もまだ見たことのない色々な景色や世界を見るんだなといつも私もワクワクします」

今月ヨーロッパで発売された雑誌『L’OFFICIEL LITHUANIA』のひとコマ。ネイルを担当した。


 1992年熊本生まれの熊本育ち。中学生の時、友達と買ったクリアのネイルチップに色を塗って遊んだことは記憶にくっきりと残っている。初めてネイルサロンに行ったのは高校生の時。サロンで実際にネイルを施している姿を見てとても素敵だなと感じ、自分ではない誰かの爪を可愛くする仕事は楽しいだろうなと想像した。

 そういった経験が心の中に蓄積され「高校卒業後はネイルの専門学校に行きたい」と希望。しかし母に「大学に行ってもっと視野を広げてみたら」と説得され、瞳子さんは地元の大学に進学。商学部ホスピタリティーマネジメント科で接客業について学んだ。ネイルへの想いは消えず、大学に通いながらネイルスクールに通い、そのネイルスクールが経営する熊本のネイルサロンでネイリストとして働く日々を送った。

 ある時たまたま見たテレビの特集で〝海外で活躍する日本人ネイリスト〟を目にした。この時「いつか私も海外でネイルの仕事がしたい」と強く思ったことがきっかけで渡米。米国生活で挫けそうになることは何度もあったが幸運な出会いに恵まれ、現在はハリウッドを拠点に活動するネイルアーティストBritney TOKYO氏と共に、Japanese Nail Artを全米に普及し、トレンドを作る存在となった。

 サロン勤務スタイルではなく、クライアントの依頼があるごとに出張するハウスコールスタイルが基本。クライアントと対話しながら、本人の希望を汲み取り、実現させていく過程は毎回新鮮で楽しい。またNYファッションウィークのバックステージやマイアミのラグジュアリーサロンでのゲストワークなど、遠方への仕事も多い。「ファッションショーの仕事は1日に何本ものショーを梯子して働くので体力仕事ですね」先日LAで行われたCHANELのファッションショーでもネイルアーティストとして参加したという。

今月ヨーロッパで発売された雑誌『L’OFFICIEL LITHUANIA』のひとコマ。ネイルを担当した。
ネイル中の仕事風景。


 熊本に住む家族や友人は「離れていてもInstagramで瞳子の仕事を見れるから嬉しい」と喜んでくれるそうだ。「ネイルの仕事はどんどん好きになる奥深さがあります。この仕事に携わってもう何年も経つのに、もっと学びたいもっと知りたいと私に思わせます」きっと彼女は天職に出会ったんだろうと思った。

(5/30/2023)

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